本章では▲5七銀左型▲4五歩早仕掛けの基本となる変化を御紹介します
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・ ・v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 金 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=29 ▲4五歩(46) まで
「図1」は前章「図2」と同一局面、先手が▲4五歩と仕掛けた所です
「図1」から「図2」までの手順
▽6三金 ▲3七桂 ▽7四歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲4四歩
▽同 銀 ▲4五歩 ▽5三銀 ▲3三角成 ▽同 桂 ▲2四飛
▽4五桂 ▲同 桂 ▽同 飛 ▲2一飛成 ▽2二歩 ▲4一角
▽6二銀 ▲8六桂 ▽2五飛 ▲7四桂 ▽同 金 ▲同角成
「図2」
後手の持駒:角 桂二 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ 龍v香|一
| ・v玉v銀v銀 ・ ・ ・v歩 ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・ 馬v歩v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 金 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 歩二
手数=53 ▲同 角成(41) まで
前章で御紹介したような手順を避けて▽6三金と上がった手に▲3七桂と桂を跳ね
急戦早仕掛けの基本形となります そして▲2四歩と突き捨てて戦端を開きます
▲4五歩に▽5三銀と引く手は現在では、あまり指されていません 以下「図2」までは
進行の一例ですが先手にだけ飛車を成られてしまう為、得策とは言えないのです
手順中▲2一飛成で▲4六歩 ▽4一飛としてから▲2三飛成とするのは▽6五歩で
次に▽6四桂と打つ手が厳しく先手が思わしく有りません ただし先手の陣形が▲6九金の
形なら成立します また鷺宮定跡や▲4六銀戦法では有力だった▽1二香と上がる手は
この▲4五歩早仕掛けには、損な手となる事が多いのです もし▽7四歩で▽1二香とすると
今の▲2三飛成までの変化の後に▲1二龍と香得しながら、飛車を後手玉を睨む好所に据える
手が有って先手が指し易くなるのです
「図1」から「図3」までの手順
▽6三金 ▲3七桂 ▽7四歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲4四歩
▽同 銀 ▲4五歩 ▽同 銀
「図3」
後手の持駒:歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・v金 ・ ・v角 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 金 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=38 ▽同 銀(44) まで
▲4五歩には強く▽同銀と取る「図3」が後手側の最有力手です
「図3」から「図4」までの手順
▲同 桂 ▽8八角成 ▲同 玉 ▽4五飛 ▲2三角 ▽8四桂
「図4」
後手の持駒:角 歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・v金 ・ ・ ・ 角v歩|三
|v歩v桂v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 玉 ・ 金 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀
手数=44 ▽8四桂打 まで
「図3」では先手に▲同桂と取る手と▲3三角成と角交換する手が有りますが、▲同桂は
▽8八角成から「図4」の▽8四桂打が厳しく、▲7七金と上がってまだ難解とは言え
実戦的には後手を持ちたい形と言えます ただしこの場合も先手の陣形が▲6九金の
形ならば、この▽8四桂が無く先手が有望となります