若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】168 対四間飛車棒銀戦法[6]
投稿日: 2005/12/22(Thu) 23:03
投稿者千鳥銀

本章では先手が棒銀から▲3五歩と開戦するまでの手順についての解説と
▲3五歩に対する後手の別対策を御紹介します

「図1」
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24  ▽4三銀(32)  まで

「図1」は先手の▲5七銀左に後手が▽4三銀と上がった所です

「図1」から「図2」までの手順

▲6八金上  ▽5四歩    ▲3七銀    ▽1四歩    ▲1六歩    ▽1二香
▲4六歩    ▽6四歩    ▲2六銀    ▽3二飛    ▲3五歩

「図2」
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・v飛 ・v香|二
| ・v歩v歩 ・ ・v銀v角v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 銀 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 角 玉 金 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=35  ▲3五歩(36)  まで

「図2」は「図1」から166章「図3」までに至る手順の途中35手目で、先手が▲3五歩と
棒銀を捌こうと戦端を開いた局面です まずここまで互いに最善の手順で来ている事を解説します

後手が▽1二香の前に▽1四歩と端を突いたのは、もしこの「図2」で端が突かれていないと
166章「図3」までの手順で解説した▽5一角には▲2四歩と突き捨てる手が生じて後手が
不利となるからです この手に▽同歩なら▲1五銀と出て▽2四飛に▲4五歩と突く手がピッタリで
また▽同角なら▲4五歩 ▽同歩に▲1五銀と銀を捨てて▽同角に▲2三飛成と飛車が成り込んで
居飛車有利と言う、加藤一二三九段創案の”加藤流”の攻め筋が炸裂するのです

次にこの「図2」の▲3五歩では▲3八飛と先に飛車が3筋に回っても変わりが無いように
思えますが、これが後手側の対応によって大きく違って来るのです それを解説する前に
▲3五歩を先にした場合▽同歩と取って▲同銀に▽4五歩と大捌きに出る変化が気になる所なので
その変化を先に見て頂く事にします

「図2」から「図3」までの手順

▽同 歩    ▲同 銀    ▽4五歩    ▲3三角成  ▽同 飛    ▲3六歩
▽3四歩    ▲2六銀    ▽4六歩    ▲同 銀    ▽3九角    ▲2七飛
▽8四角成  ▲1一角    ▽3九馬    ▲3七銀右  ▽3八馬    ▲2六飛

「図3」
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 角|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・v香|二
| ・v歩v歩 ・ ・v銀v飛v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 飛 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・|七
| ・ ・ 玉 金 金 ・v馬 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=53  ▲2六飛(27)  まで

▲3五歩を▽同歩と取って▽4五歩と捌いて来る手には角交換して▲3六歩と銀の下から
歩を打つのが好手で後手も▽3九角から馬を作る事が出来ますが、「図3」では次の▲2二角成が
厳しく先手の有利な形勢と言えます やはり単純に角交換する手は通用しないのです

「図2」から「図4」までの手順

▽6五歩    ▲3八飛    ▽4五歩    ▲3三角成  ▽同 飛    ▲4五歩
▽3五歩    ▲4八飛    ▽3四銀    ▲2二角    ▽6三飛    ▲4四角成
▽4三金    ▲2二馬    ▽3三桂    ▲4四歩    ▽4二金    ▲1二馬
▽4五桂    ▲4六銀    ▽6六歩    ▲同 歩    ▽3九角

「図4」
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・v玉v銀 ・ ・v金 ・ ・ 馬|二
| ・v歩v歩v飛 ・ ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ ・v歩 歩v銀 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・v桂v歩 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 銀 ・ 銀 歩|六
| ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 玉 金 金 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・v角 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:香 歩二 
手数=58  ▽3九角打  まで

「図2」では▽6五歩と突く手が有るのです ▲3五歩の所で▲3八飛でも同じく▽6五歩と突き
▲3五歩に▽4五歩で、やはり「図4」までと同じ進行になります
この大捌きは163章の「図4」までと似た形で、▽6五歩と先手の▲4六歩が入っているのが
違いとなっていますが、この違いが大きく直後に▽4六歩の取り込みや▽6四角などが生じるのです
以下「図4」まで変化は有りますが、いずれも後手優勢となります つまり▲3八飛を先にすると必然的に
この変化を辿る事になると言う訳なのです したがって▲3五歩を先にして後手の▽6五歩に対しては
▲3八飛では無く別の手を用意すると言う事になるのです 以下は次章で


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