本章では5筋位取りの主流戦型と言える形を御紹介します
「図1」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽4四歩 ▲4八銀 ▽4二飛
▲6八玉 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽7二銀 ▲7八玉 ▽3二銀
▲5六歩 ▽6二玉 ▲5八金右 ▽7一玉 ▲5七銀 ▽5二金左
▲2五歩 ▽3三角 ▲5五歩 ▽4三銀 ▲5六銀 ▽6四歩
▲6八銀 ▽8二玉 ▲6六歩
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 銀 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=27 ▲6六歩(67) まで
右の銀を繰り出して行き、玉側に勢力を張って行くのが5筋位取りの主流作戦で
この形の場合は序盤で▲3六歩と突かないようにするのが、居飛車側の注意点です
玉側の整備を急ぐ必要が有るのと右翼が薄いので、狙われる恐れが有るからです
また四間飛車側は「図1」までの手順中で▲5六銀に▽6四歩と突くのが要となり
この手で先に▽8ニ玉とすると▲6六歩と突かれ、そこで▽6四歩だと▲6五歩
▽同歩 ▲同銀で損となります また▽6四歩と突かず▲6五歩と6筋の位まで
取られると作戦負けになる可能性が高くなります
「図1」から「図2までの手順
▽6三金 ▲6五歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽6四歩 ▲5六銀
▽7四歩 ▲6七金 ▽8四歩 ▲5七銀 ▽8三銀 ▲6八金上
▽7二金 ▲6六銀
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v銀 ・v金v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 銀 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 金 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 金 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=41 ▲6六銀(57) まで
先手は6筋の歩を交換して金銀を盛り上げて行きます 後手も高美濃から銀冠へと
駒組みを整備して「図2」となった局面は、まだ優劣を言う段階では無いですが
一歩を手にして中央を制圧した先手に不満は無い局面です この形の5筋位取りは
狙いが漠然とした戦型で、普通に指し進めても一気に悪くなる事は少ないですが
あまり相手の出方に無関心でも、いつの間にか形勢を損じている場合が有ります
「図1」から「図3」までの手順
▽6三金 ▲6五歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽6四歩 ▲5六銀
▽3五歩 ▲6七金 ▽3二飛 ▲1六歩 ▽5一角 ▲2六飛
▽3四飛 ▲5七銀 ▽3三桂 ▲4六歩 ▽7四歩 ▲6八金上
▽6二角 ▲6六銀 ▽3六歩 ▲同 歩 ▽4五歩 ▲同 歩
▽5四歩
「図3」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀v角 ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・v金 ・v銀v桂v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v飛 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 銀 銀 ・ 歩 飛 歩|六
| ・ 歩 ・ 金 ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 角 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三
手数=52 ▽5四歩(53) まで
先手が3筋の歩を突かないので、当然▽3五歩から石田流に行く手は有力手段です
先手が、かまわず「図2」と同様に駒組みを進め、無条件でこれを許すのは流石に
形勢を損じる事になります 「図3」までは代表的な一例ですが既に後手勝勢と
言っても過言では無い局面です
「図1」から「図4」までの手順
▽6三金 ▲6五歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽6四歩 ▲5六銀
▽3五歩 ▲5七銀 ▽3二飛 ▲1六歩 ▽5一角 ▲2六飛
▽7四歩 ▲6七金 ▽1四歩 ▲6八金上 ▽3四銀 ▲4六銀
▽8四角 ▲5四歩 ▽同 金 ▲5五歩 ▽6五金 ▲5四歩
▽5六金 ▲同 金 ▽5四歩 ▲4四角 ▽3三桂 ▲5七銀
▽2五銀 ▲2八飛
「図4」
後手の持駒:銀 歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・v飛 ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v桂v歩 ・|三
|v歩v角v歩v歩v歩 角 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩v銀 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 金 ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ ・ 銀 歩 歩 ・ ・|七
| ・ ・ 玉 金 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 歩
手数=59 ▲2八飛(26) まで
後手が石田流に組み替えようと▽3四飛とする手を、▲4六銀から▲7九角または
▲4六銀から▲3六歩 ▽同歩 ▲3五歩を常に見せてこれを阻止しながら進めます
石田流に組めない後手は▽3四銀と方針変更しますが、この形ならば一気に捌かれる
心配は無くなります 「図4」までは後手が何とか捌こうとした進行例ですが
先手優勢の局面です 手順中の▲5四歩突き捨ても5筋位取りには常に有る手筋で
特にこの形では5,6筋両方に歩が打てるので攻防共に行かせる形となります
やはりこの戦型でも6筋の歩を無条件で交換させるのは損と言えます 次章では後手の
反発手段を解説します