若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】182 鳥刺し戦法[2]
投稿日: 2008/06/21(Sat) 14:58
投稿者千鳥銀

本章では先手の鳥刺し戦法に後手が、角頭の守備を固めて対抗する変化を解説します

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v飛v銀 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 歩 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=17  ▲3六歩(37)  まで

「図1」は前章「図1」と同一局面、先手が角頭に狙いをつけ▲3六歩と突いた所です

「図1」から「図2」までの手順

▽4三銀    ▲4六銀    ▽8二玉    ▲3五歩    ▽3二飛    ▲3八飛
▽4二角    ▲7六歩    ▽1二香    ▲3四歩    ▽同 銀    ▲2四歩
▽同 歩    ▲2二歩    ▽4三銀    ▲2一歩成  ▽3八飛成  ▲同 金

「図2」

後手の持駒:飛 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・ と ・|一
| ・v玉v銀 ・ ・v角 ・ ・v香|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ ・ 銀 金 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 桂 
手数=35  ▲同 金(49)  まで

「図1」で▽4三銀と、予め角頭に備えた場合は▲4六銀と上がってから▲3五歩と
突きます。▽3二飛の迎撃手に▲3八飛と回って後手の応手を伺いますが、この手に
▽4ニ角と引いてきた場合は、▲7六歩と角道を開き通常の位置から角を使います。
以下「図2」まで、変化は有りますが先手有利な形勢となります。手順中▲2ニ歩に
後手が▽4三銀と引き、飛車交換を迫る手に、放っておいて▲2一歩成と出来るのも
4九の金が飛車に紐をつけているからです。また飛車交換後の後手からの飛車の
打ち込みにも強い形となっています

「図1」から「図3」までの手順

▽4三銀    ▲4六銀    ▽8二玉    ▲3五歩    ▽3二飛    ▲3八飛
▽2二角    ▲7九角    ▽5二金左  ▲2四歩    ▽同 歩    ▲3四歩
▽同 銀    ▲同 飛    ▽同 飛    ▲2三銀

「図3」

後手の持駒:飛 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・ 銀v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v飛v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ 歩 銀 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 角 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=33  ▲2三銀打  まで

▲3八飛に▽2ニ角と引かれた場合には、▲7九角と引き角で対抗します。▲7六歩と
角道を開けると今度は▽4五歩と捌かれる手が生じて拙いのです。以下激しい攻めで
「図3」まで、先手が指し易い局面となります。急戦型で通常このような強襲は
振飛車側の方が歓迎の筈なのですが、やはり低い陣形が形勢に影響しているのです。

「図1」から「図4」までの手順

▽4三銀    ▲4六銀    ▽3二金    ▲7九角    ▽4一飛    ▲3五歩
▽5一角    ▲3四歩    ▽同 銀    ▲3五銀    ▽同 銀    ▲同 角

「図4」

後手の持駒:銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金v角v飛 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 角 歩 ・|五
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩 
手数=29  ▲同 角(79)  まで

▽4三銀から▽3ニ金は、対▲4六銀急戦型には今まで絶対の守備力を誇る
四間飛車側の手段なのですが、鳥刺しにはこの最強防御さえも通用しません。
角道を開けずに▲7九角と引かれた形では▽4五歩と突いても▲同銀と取られ、
その後▲3五歩 ▽同歩 ▲同角で銀は死なず単に一歩損になるだけだからです
そこで▽4一飛、▽5一角と徹底防御の姿勢に出ますが、以下「図4」まで
銀交換し、角を捌いた先手に不満の無い形勢です

鳥刺し戦法は駒組みが簡単で手数も掛からないのと、相手が四間飛車以外の振り飛車でも
同様に採用する事が可能なので、振り飛車専門の相手に一度試されると良いと思います。

以上4章に渡り2つの対四間飛車変幻戦法を見て頂きましたが、初手を▲4八銀から
入れば、どちらの戦法にも行けるので使い分ける事も出来るでしょう。
ただしこの手順は一般の定跡書での鳥刺しとは違っています。通常は初手▲2六歩で、
▽3四歩に▲2五歩と突いてから▲4八銀と言う手順ですが、これですと後手に▽8四歩と
途中で突かれた場合にどうも先手の動きが難しいので、初手▲4八銀からで解説致しました。
しかし2手目に▽8四歩とされると通常型より、損である事は180章でも述べた通りです。

それでも相手があまり居飛車は得意で無いと言う振り飛車党なら、居飛車にさせただけで
有利と言う考え方も有るかと思います。


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