若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】185 玉頭位取り戦法[3]
投稿日: 2008/06/29(Sun) 23:30
投稿者千鳥銀

本章では玉頭位取りに対して、最も強力な後手の対抗手段を御紹介します

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・v金v飛 ・v角 ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀 ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 銀 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=21  ▲7五歩(76)  まで

「図1」は前章「図1」と同一局面、先手が▲7五歩と玉頭位取りに出た所です

「図1」から「図2」までの手順

▽6四歩    ▲7七銀    ▽4五歩    ▲2五歩    ▽3三角    ▲7六銀
▽4四銀    ▲6六歩    ▽6三金

「図2」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v銀v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 歩 ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=30  ▽6三金(52)  まで

「図1」から▽6四歩と位を確保し、▲7七銀で角道が止まった瞬間に▽4五歩と突き
▲7六銀に▽4四銀と上がった形が、玉頭位取りに対して最も有力な対抗策です。
この形は先手が玉を固める他の持久戦策にも有力な戦型で、これからも度々登場します。
そしてその狙い筋も共通点が多いので、覚えておくと他の戦型にも応用が利くと思います。

「図2」から「図3」までの手順

▲8六歩    ▽8二玉    ▲6七金    ▽5四歩    ▲8五歩    ▽5五歩
▲同 歩    ▽同 銀    ▲5六歩    ▽4六歩

「図3」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・ ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ 歩 歩 ・v銀 ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 銀 歩 歩v歩 ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ 金 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=40  ▽4六歩(45)  まで

4筋から中央に厚みを築かれたので▲8六歩から8筋の位を取り、後手の銀冠への進展を
押えるのが、この形では有力な手段ですが、▽5四歩に対して無神経に囲いの完成を
目指すのは、すかさず▽5五歩と突かれ、以下「図3」まで先手不利となります。
この攻撃筋こそが▽4四銀型の狙いの主眼なのです。

「図2」から「図4」までの手順

▲8六歩    ▽8二玉    ▲6七金    ▽5四歩    ▲4八飛    ▽5五歩
▲同 歩    ▽同 銀    ▲5六歩    ▽同 銀    ▲同 銀    ▽5五歩

「図4」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・ ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 歩 ・v歩v歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 歩 銀 歩 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ 金 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 
手数=42  ▽5五歩打  まで

「図3」までの攻め筋を防ぐには、この形では▽5四歩に▲4八飛と飛車を回るのが正着です。
しかし▲6七金と上がっている形ですと、今度は▲5六歩に銀を引かず▽同銀と取る手が成立します。
以下「図4」まで銀交換をして後手が十分となるのです。▽4四銀型には、あまり早く▲6七金と
上がらないようにしないといけません。このように先手側は駒組みの手順にかなりの慎重さが要求され、
この事も現在あまり指されなくなった原因と言えます。次章では先手の正しい手順をお見せします。


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