若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】192 藤井システムVS左美濃[4]
投稿日: 2008/07/07(Mon) 00:10
投稿者千鳥銀

前章の最後で述べた、後手が最善手で先手の左美濃型▲3八飛戦法に対抗した
場合の変化を解説します

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v飛v銀 ・ ・|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 玉 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 銀 ・ 金 ・ 飛 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=30  ▽6三金  まで

「図1」は前章「図3」の▲3八飛に対して、後手が▽6三金と上がった局面です

「図1」から「図2」までの手順

▲3五歩    ▽同 歩    ▲4六銀    ▽4五歩    ▲3三角成  ▽同 銀
▲3五銀    ▽4六歩    ▲同 歩    ▽2七角    ▲3七飛    ▽5四角成

「図2」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・v銀v歩v歩|三
|v歩v歩v歩v歩v馬 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 歩 ・|五
| 歩 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・|六
| ・ 玉 ・ 歩 ・ ・ 飛 ・ 歩|七
| ・ ・ 銀 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二 
手数=42  ▽5四角成  まで

▽6三金で、▽7一玉形の横が薄くなったので、▲3五歩 ▽同歩に▲4六銀と速攻する
手も考えられますが、左美濃型からでも後手が▽3二銀型の場合、やはりこの攻めは重く
「図2」まで先手が不利となります。手順中▲3三角成の所で、単に▲3五銀と出るのは、
▽8五歩と突かれて困る事になります。

「図1」から「図3」までの手順

▲3五歩    ▽同 歩    ▲同 飛    ▽4三銀    ▲3四歩    ▽2二角
▲2四歩    ▽同 歩    ▲9五歩    ▽3二飛    ▲9四歩    ▽3四銀
▲2三歩    ▽3一角    ▲3九飛    ▽9二歩    ▲4四角

「図2」

後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・v玉v金 ・ ・v角v桂v香|一
|v歩 ・v銀 ・ ・ ・v飛 ・ ・|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・ ・ 歩v歩|三
| 歩v歩v歩v歩 ・ 角v銀v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 玉 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 銀 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ 飛 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=47  ▲4四角  まで

▲3五歩 ▽同歩に▲同飛と、単に取るのが、この場合でも正着となります。これに対し
▽4三銀と角頭を守るのは、▲3四歩と押さえてから、藤井システムのもう1つ薄い場所、
9筋を絡めての、▲3五飛を縦横に活用した攻めで、以下「図3」まで先手が優勢と
なります。この形では逆に端の9筋を攻められる場合も有るので、注意が必要なのです。

「図1」から「図4」までの手順

▲3五歩    ▽同 歩    ▲同 飛    ▽8三銀    ▲3四歩    ▽2二角
▲3六飛    ▽8二飛    ▲4六銀    ▽8五歩    ▲同 歩    ▽8四歩
▲3五銀    ▽8五歩    ▲4四銀    ▽8六歩    ▲同 玉    ▽7二銀
▲9七玉    ▽8八飛成  ▲同 玉    ▽4四角

「図4」

後手の持駒:角 銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・ ・v銀 ・ ・|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩 ・v角 歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 飛 ・ ・|六
| ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 玉 銀 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 歩三 
手数=52  ▽4四角  まで

「図1」からの▲3五歩 ▽同歩 ▲同飛に対しては、これも左翼は動かず▽8三銀と
上がるのが正解なのです。▽6三金に続き、普通に美濃囲いを高美濃から銀冠に進展
させているだけにしか見えませんし、▲3五飛と角頭を攻められている時に、却って
離れ駒を作って危険に見えますが、次の▽8ニ飛で藤井システムの恐るべき正体が
明らかになります。先手は▲3六飛から▲4六銀と攻めに出ますが、以下「図4」まで
後手勝勢となります。この玉頭攻撃こそが▽6三金からの秘策だったのです。
もう1つ先手の▲3五歩からの攻めに対する変化を御紹介します。

「図1」から「図5」までの手順

▲3五歩    ▽同 歩    ▲同 飛    ▽8三銀    ▲3四歩    ▽2二角
▲3七桂    ▽8二飛    ▲4六歩    ▽8五歩    ▲同 歩    ▽8六歩
▲同 玉    ▽9五歩    ▲同 歩    ▽7五歩    ▲同 歩    ▽9四銀
▲同 歩    ▽8五飛    ▲9七玉    ▽9四香

「図5」

後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・v玉v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v銀v角 ・|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・ ・v歩v歩|三
|v香 ・ ・v歩 ・v歩 歩 ・ ・|四
| ・v飛 歩 ・ ・ ・ 飛 歩 ・|五
| ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・|六
| 玉 ・ ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 銀 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩四 
手数=52  ▽9四香  まで

先手側には▲3七桂と跳ねて、次に▲4五桂或いは▲4六歩から▲4五歩を狙う手も
有ります。▲4六歩で飛車の横利きを守備に活用しながら、攻めの体制を敷いて行きますが、
▽8五歩 ▲同歩に▽8六歩と打ち捨て、以下「図5」まで後手の勝勢となります。
手順中で▽9五歩、▽7五歩のどちらも、取らないと▽9四銀、▽7四銀と、それぞれ銀を
上がる手が有るので取らざるを得ません。また▽7五歩を▲同飛だと、やはり▽7四銀と
上がる手が有ります。

藤井システムは常に左美濃の▲8七玉を照準に置いて闘うので、3筋攻めに来られても
直接そこには手を掛けず、やはり玉頭から攻める事で結果的に先手の攻めを方向違いで
間に合わない局面にしてしまう事が出来るのです。次章では陽動的な動きで先手が
藤井システムに対抗する手段を御紹介します。


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