23章から25章までの縦歩取り戦法の手順は あまりにも先手の
やりたい放題で後手に不満が残る為 駒組みに改良を加えて縦歩取り側に
指し手の選択を制限させる策に出てきます
「図1」までの手順
▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩 ▲7八金 ▽3二金
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩 ▲2六飛 ▽7二銀
▲3八銀 ▽3四歩 ▲3六飛 ▽3三金 ▲9六歩 ▽4二銀
▲7六歩 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲7五歩 ▽8二飛
▲7七桂 ▽9四歩 ▲4八玉 ▽4一玉
「図1」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v玉 ・v桂v香|一
| ・v飛v銀 ・ ・v銀 ・v角 ・|二
| ・ ・v歩v歩v歩v歩v金v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・ ・|六
| ・ ・ 桂 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ 玉 銀 ・ ・|八
| 香 ・ 銀 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二
手数=28 ▽4一玉(51) まで
「図1」は前章の「図1」の一手前に似ていますが 銀を7二に上がり
▽9四歩と端歩を突き 玉の位置も4一になっています
「図1」から「図2」までの手順
▲9七角 ▽9五歩 ▲同 歩 ▽8九飛成 ▲8六飛 ▽同 龍
▲同 角 ▽8五歩 ▲同 桂 ▽8二飛 ▲8七歩 ▽8五飛
「図2」
後手の持駒:桂
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v玉 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v銀 ・v角 ・|二
| ・ ・v歩v歩v歩v歩v金v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| 歩v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 角 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ 玉 銀 ・ ・|八
| 香 ・ 銀 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 歩三
手数=40 ▽8五飛(82) まで
「図1」で前章と同じように▲9七角とすると ▽9五歩と突き捨ててから
▽8九飛成とされ ▲8八角の時に▽9八歩打で困る事になります
▽7二銀の形が先手の▲8一飛成を防いでいるので▲8六飛が効かないのが
分かると思います やむなく▲8六飛とここで飛車をぶつけますが
以下「図2」まで桂得で後手優勢となります
手順中▽8五歩に対し▽6二銀の形なら角取りにかまわず▲8三飛打と強く
攻め合う事が出来るのですが この場合は後手陣に隙が無く▲同桂と取るしか
無いのです この布陣に▲9七角とするのは無理筋となります
「図1」から「図3」までの手順
▲8五歩 ▽6四歩 ▲8六飛 ▽8三歩 ▲7六飛 ▽6三銀
▲6八銀 ▽3二玉 ▲6六歩 ▽7二金 ▲6七銀 ▽8四歩
▲同 歩 ▽同 飛 ▲8五歩 ▽8二飛 ▲5六銀 ▽4四歩
▲9七角 ▽4三金 ▲4六歩 ▽5四歩 ▲6五歩 ▽5三銀
▲4五歩 ▽同 歩 ▲6四歩 ▽同銀左 ▲6五歩 ▽5三銀
▲7四歩 ▽同 歩 ▲4五銀 ▽4四歩 ▲3四銀 ▽4二金
▲2六飛
「図3」
後手の持駒:歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛v金 ・ ・v金v玉v角 ・|二
| ・ ・ ・v銀v銀 ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 銀 ・ ・|四
| ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|六
| 角 ・ 桂 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ 玉 銀 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三
手数=65 ▲2六飛(76) まで
後手が▽7二銀の形では ▲8五歩と歩を打つのが定跡となっています
出来れば打たずに後手にだけ歩を受けさせたいのですが この場合は仕方が
無いでしょう 攻撃力増強に銀を5六まで持って行き▲6五歩と仕掛けます
これを▽同歩と取れば 前章の「図3」で紹介した▲6四歩打からの攻めが
有るので▽5三銀と6筋を強化しますが 以下「図3」まで2筋が受からず
先手勝勢となります 途中▲3四銀を▽同金と取るのは▲5三角成です
このように縦歩取りは左右どちらからも攻め筋が有る優れた戦法なのです
▽3三金と受けた形は作戦負けになり易いと言う事で
序盤で▽3四歩と突くのを保留して 縦歩取りを避ける策が現れます
それに対して先手も更に工夫を加える事になりますが それは次章で