若 葉 亭
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タイトル Re^11: 回答
投稿日: 2014/05/03(Sat) 00:07
投稿者千鳥銀

盲人棋士さん、今回もまたまたお待たせしました。

まず矢倉は亡くなった米長永世棋聖が、将棋の純文学と称したぐらい
将棋の代表戦法にして難解な物の最右翼だと言う事です。
そのあまりに無限に広がる変化で、何百回同じ形が出ても結論が
出なかったりします。

その上で、この時点での矢倉の紹介は一番簡潔に、それそれの戦法の
狙いを分って貰う為、千日手になる総矢倉から先手が脱出すると言う形で
その手順も私が作った物で、実際の定跡とは少し異なりますし
戦法の狙いが決まるように、後手にも疑問手を指させています。
これを念頭において読んで頂きたいと言う事なのです。
特に▲3七銀戦法は現在でも矢倉の主流と言える物で最新のタイトル戦にも
登場する極めて難解な物です。そこで敢て1章だけで簡単に紹介しています。
これを完全に指しこなす事は私にも出来ませんし、プロでも日々新化し続ける
その難解さに、その力の全てを注いでいると思います。

こうした事を踏まえて▲4六銀に▽4五歩は無いかと言う事ですが
有りますと言うか有りました。
プロ間でも実際に指されていた時期が有り、そのプロの激戦の果て
今は後手側に思わしく無いと言う結論が出たのです。
その変化は書籍一冊分になってしまうので、ここで説明するのは
無理ですが、一旦▲3七銀と下がって▲4八飛から▲4六歩と合わせて行くのが
基本で先手が指し易いと言う事で、今は御理解下さい。

▲3七桂に▽4五歩、これは明らかに疑問手です。
▲同桂に▽4四銀、或いは▽4二銀。これでは一歩損して3三の銀取りになる
と言う後手を引いた上に玉頭の守りも弱体化すると言う事になります。
▽4四銀ならば、▲2九飛と引いておけば、▽4五銀▲同銀▽3七角成と
強引に馬を作っても直後に▲4六角で馬は消されてしまいます。
▽4二銀で次に歩が入ればと言う事ですが、この局面で簡単に一歩手に
いれる事が出来るか良く読んで見て下さい。
その間先手は▲2四歩 ▽同歩 ▲同飛 ▽2三歩打 ▲2六飛として
次に▲3五歩 ▽同歩 ▲3三歩と言う狙いが有り先に玉頭に殺到されて
しまいます。矢倉は互いに玉を攻め合うと言うのが本流で、このように
相手の攻撃側に仕掛けると言うのは、敢て攻めさせて受け切る事を
主眼においた、かなりリスクの高い指し方で、下手をするとそのまま
一方的に攻め潰されて終わりになってしまいます。相当な受けの力と
一部の隙も無い指し回しが要求されます。

現在プロ間で指されているのは、▲3七桂に▽2四銀と▲2五桂を先受けし
▲2五桂と来た瞬間に▽4五歩とする物で、最近のタイトル戦でも指されています。
この場合▲1六歩には必ず▽1四歩と受けています。
端攻めの関連から▲1五歩と突き越されると、この形では損だからです。

以上で一応のお答えですが、ここではこの説明が限界です。


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