若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】30 相掛り 後手16手目の選択
投稿日: 2005/03/03(Thu) 15:33
投稿者千鳥銀

前章で▲1六歩に▽1四歩と受けるのが安全なのは分かりました
その後、先手の15手目▲3八銀に ひねり飛車の解説では▽6四歩と後手が
指していますが ここでは他にも手が考えられる所です
しかし実は、この後手の16手目も▽6四歩以外の手を指すのは難しいのです
それは何故なのか 簡単に解説しておく事にします

「図1」までの手順

▲2六歩    ▽8四歩    ▲2五歩    ▽8五歩    ▲7八金    ▽3二金
▲2四歩    ▽同 歩    ▲同 飛    ▽2三歩    ▲2六飛    ▽7二銀
▲1六歩    ▽1四歩    ▲3八銀

「図1」
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・v銀v桂v香|一
| ・v飛v銀 ・ ・ ・v金v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 歩|六
| 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 ・ ・|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=15  ▲3八銀(39)  まで

「図1」は問題の先手の15手目▲3八銀が指された局面です
ここから、まず▽8三銀と棒銀で先攻する手はどうか

「図1」から「図2」までの手順

▽8三銀    ▲7六歩    ▽8四銀  ▲7七角    ▽7四歩    ▲8八銀
▽7五歩    ▲同 歩    ▽同 銀  ▲2五飛    ▽6四銀    ▲1五歩
▽同 歩    ▲1四歩    ▽同 香  ▲2四歩    ▽同 歩    ▲同 飛

「図2」
後手の持駒:歩四 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・v銀v桂 ・|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v角 ・|二
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|三
| ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ 飛v香|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 歩 歩 歩 歩 ・ ・|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=33  ▲同 飛(25)  まで

先手だけ飛先を切っている、この局面での棒銀は▲7六歩から▲7七角で
後手は飛先が切れなくなってしまい 結果として、あまり得策では有りません
▽7四歩に▲8八銀と上がった先手の形が 棒銀に対する有効な迎撃形で
8筋を破られる心配は無くなります ▽7五銀と出た時に▲2五飛から
▲1五歩と端攻めに出て 以下「図2」では先手優勢です
▲1四歩に▽同香と取らなければ▲1五飛 ▽1二歩打と端を詰めて
やはり先手が優勢となります 

「図1」で他の手として▽4二銀は▲2七銀と逆に棒銀に出られて困ります
また▽5四歩は、ひねり飛車から▲9七角とされた時にキズになり易いですし
場合によっては▲2四歩と合わす十字飛車も狙われます ▽4二玉とするのは
28章の金美濃に出来なくなる それでは▽4一玉はどうか

「図1」から「図3」までの手順

▽4一玉    ▲4六歩    ▽8六歩  ▲同 歩    ▽同 飛    ▲8七歩
▽8二飛    ▲4七銀    ▽3四歩  ▲7六歩    ▽6四歩    ▲5六銀
▽8八角成  ▲同 銀    ▽2二銀  ▲7七銀    ▽6三銀    ▲5八金
▽5四銀    ▲4五銀    ▽同 銀  ▲6三角    ▽4二玉    ▲4五角成

「図3」
後手の持駒:角 銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 馬 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ 飛 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩 
手数=39  ▲4五角成(63)  まで

「図3」までは、たとえばと言う手順ですが 先手が▲5六銀と腰掛け銀に
変更した場合、後手の▽4一玉は位置的にバランスが良くない事になります
この形の腰掛け銀には4二か5二が良いのです この他にも手は有りますが
先手が如何なる戦型になっても対応出来る▽6四歩が一番損が無いのです

以上の点から、ひねり飛車も含めて この相掛り型では16手目▽6四歩まで
ほとんど必然と言う事になるのです
ただし先手の13手目▲1六歩では、ひねり飛車の選択は無くなりますが
▲5八玉とする手も有ります しかし実戦例は少なく▲1六歩が一般的です


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