横歩取り系の中で後手が▽2三歩打とするのは 古典定跡とも言える戦型で
今は▽8六歩と指される事が多いのですが 最新型を知る上でも絶対に
知っておく必要が有る物です
「図1」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩
▲7八金 ▽3二金 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩
▲3四飛 ▽8八角成 ▲同 銀 ▽2五角 ▲3二飛成 ▽同 銀
▲3八銀 ▽3三銀 ▲1六歩
「図1」
後手の持駒:飛
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ ・|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 金 歩二
手数=21 ▲1六歩(17) まで
「図1」は前章の「図3」から▲1六歩と指した局面です 直前の▽3三銀に
いろいろ手は有るのですが 実は現在この▲1六歩が最善とされています
この手は次に▲3五金打で角を殺すのが狙いです
「図1」から「図2」までの手順
▽2四歩 ▲3一金 ▽2二飛 ▲2三歩 ▽同 飛 ▲3二角
「図2」
後手の持駒:飛 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・ 金v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 角 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v銀v飛v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ ・|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=27 ▲3二角打 まで
まず▽2四歩と突いて3四或いは1四から自陣に引き上げる道を作った場合は
▲3一金と打って2一の桂を狙うのが有効です ▽2二飛とするのが唯一の
受けですが▲2三歩打と空いた空間に歩を打ち▽同飛に▲3二角打で
先手が優勢となります
「図1」から「図3」までの手順
▽4四歩 ▲6五角 ▽3一飛 ▲3六歩 ▽4二玉 ▲3七桂
▽5二角 ▲4六歩 ▽6四歩 ▲5六角 ▽2二銀 ▲2四歩
▽同 歩 ▲2三歩 ▽3三銀 ▲2二金
「図3」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・v飛v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v角v玉 ・ 金 ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩 ・v銀 歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・v歩 ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 角 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=37 ▲2二金打 まで
次に▽4四歩と、こちら側に逃げ道を作って来た場合は すかさず▲6五角と
打ちます この桂取りは▽3一飛と受けるしか有りません この手で▽2二飛と
受けるのは▲3一金打で困る事になります ▲3六歩から▲3七桂そして
▲4六歩と自陣の駒を活用して行けば 後手は2枚の飛車の活用が難しく
「図3」では先手の指しやすい形勢となります
この2例の中でも更に変化は有りますし またこの他にも手は有るのですが
2五の角の処理が難しく「図1」は後手に苦労が多い局面です
アマ有段者でも後手側を持って指すのは大変だと思います
また後手の16手目▽2五角に▲3六飛と引く手も指されるようになり
▲2四同飛に▽2三歩と打って先手に横歩を取らせる実戦例は激減しました
そこで、この先手の横歩取りに対抗するべく 数々の戦法が生まれたのです
次章からは後手が▽2三歩に変わり▽8六歩と突いて行く戦型を紹介します