若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】212 居飛車穴熊VS四間飛車 激戦期[2]
投稿日: 2019/04/04(Thu) 01:20
投稿者千鳥銀

本章では四間飛車側の▽4四銀型に対し▲2六角と出る手に早目に備える攻防を紹介します

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v桂v金v銀 ・v角v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 角 歩|六
| 歩 歩 ・ 金 銀 歩 ・ ・ ・|七
| 香 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=42  △5三銀  まで

「図1」は前章「図3」の局面の後手が▽9五歩と先手の穴熊側の端を
突き越した手に変えて、▽5三銀と先手の▲4八飛に一手早く備えた局面です。

「図1」から「図2」までの手順

▲7八飛    ▽4四角    ▲5九角    ▽8四歩    ▲7五歩    ▽同 歩
▲同 飛    ▽8三銀    ▲7八飛    ▽7二金    ▲2八飛    ▽3三角
▲3五歩    ▽3二飛    ▲3七桂    ▽4四銀    ▲4六歩    ▽3五銀
▲4五桂    ▽4二角    ▲3八飛    ▽7四歩    ▲5五歩    ▽同 歩
▲5四歩    ▽同 金    ▲3五飛    ▽同 歩    ▲4三銀

「図2」

後手の持駒:飛 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・v角v飛 ・ ・|二
| ・v銀v桂 ・ ・ 銀 ・v歩 ・|三
|v歩v歩v歩v歩v金 ・ ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・v歩 桂v歩 歩 ・|五
| ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 金 銀 ・ ・ ・ ・|七
| 香 銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 玉 桂 金 ・ 角 ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=71  ▲4三銀  まで

▽5三銀と待機されると▲4八飛には、すかさず▽4四角とぶつけられて▲同角には
▽同銀 ▲2八飛 ▽3三銀と受けられ局面は膠着状態の千日手模様となり先手としては
面白く有りません。飛車を7筋に展開して▲7五歩を狙うのが、この形の常套手段で
歩を交換した後▲2八飛と2筋に飛車を戻し、▽3三角に▲3五歩と突くこれが
居飛車穴熊特有の狙いとなります。▽3二飛の備えに▲3七桂と戦力を増強して
▲3八飛とし▽4四歩に▲3六歩で銀を殺す手を用意します。以下▽7四歩と桂打ちの
キズを消すような手なら「図2」まで先手優勢となります。

「図1」から「図3」までの手順

▲7八飛    ▽4四角    ▲5九角    ▽2二飛    ▲7五歩    ▽同 歩
▲同 飛    ▽7四歩    ▲4五飛    ▽2四歩    ▲8六角    ▽2五歩
▲6五歩    ▽同 桂    ▲6六銀    ▽同 角    ▲同 金    ▽4四歩
▲2三歩

「図3」

後手の持駒:銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
| ・v歩 ・v金v銀 ・ ・ 歩 ・|三
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・v桂 ・ 飛 ・v歩 ・|五
| ・ 角 ・ 金 歩 ・ 歩 ・ 歩|六 
| 歩 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|七
| 香 銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=61  ▲2三歩  まで

▽8四歩と7筋に備えるのは、居飛穴側に攻め続けられる事になり四間飛車側が守勢に
なり易いので▽4四角 ▲5九角としてから▽2二飛と攻勢に出る手も有ります。
しかし▲7五歩から▲4五飛と横に飛車を捌いて以下「図3」まで、変化は有りますが
2筋からの反撃は思わしい結果になりません。「図3」で▽同飛なら▲4一角打ちです。

「図4」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽4二飛
▲6八玉    ▽9四歩    ▲7八玉    ▽7二銀    ▲5六歩    ▽3二銀
▲5八金右  ▽5二金左  ▲5七銀    ▽6四歩    ▲2五歩    ▽3三角
▲3六歩    ▽6二玉    ▲7七角    ▽7四歩    ▲6六歩    ▽7一玉
▲6七金    ▽4三銀    ▲8八玉    ▽7三桂    ▲9八香    ▽4五歩
▲9九玉    ▽4四銀    ▲8八銀    ▽5四歩    ▲7八金    ▽6三金
▲6八銀    ▽8二玉    ▲7九銀右

「図4」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v桂v金 ・ ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩v銀v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 金 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| 香 銀 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 銀 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=39  ▲7九銀右  まで

今までは穴熊側が右金を▲7九金と寄せる攻防をを紹介しましたが、当然相手が
藤井システムなど急戦を仕掛けて来そうな局面では▲7八金と金を締まって闘いに
備える形も多くなり、その場合は▲7八飛から▲7五歩と歩交換する手段は無くなります。
しかし今度は別な狙いが生じます。「図4」の囲いが従来の4枚穴熊を封じられた形での
対策で松尾歩八段創案の松尾流穴熊です。


「図4」から「図5」までの手順

▽9五歩    ▲6八角    ▽2二飛    ▲1六歩    ▽5五歩    ▲2四歩
▽同 歩    ▲3七桂    ▽5六歩    ▲同 金    ▽9六歩    ▲同 歩
▽9七歩    ▲同 香    ▽8五桂    ▲6五歩    ▽同 歩    ▲6四歩
▽9七桂成  ▲同 桂    ▽6四金    ▲8六角

「図5」

後手の持駒:香 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v角 ・v歩|三
| ・ ・v歩v金 ・v銀v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・|五
| 歩 角 歩 ・ 金 ・ 歩 ・ 歩|六
| 桂 歩 ・ ・ ・ 歩 桂 ・ ・|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 歩二 
手数=61  ▲8六角  まで

実は「図4」の松尾流穴熊に組めれば勝率8割と言われていて既に作戦勝ちと言えます。
▲6八角で2二飛を強要し、▲1六歩と端歩を突き▽1五角を消してから▲3七桂と桂を
活用して▽5六歩に▲同金と後手の手に乗って攻撃形を作り、以下後手も▽9六歩から
▽8五桂と穴熊の玉頭を反撃しますが「図5」まで居飛車穴熊側が指し易い局面です。


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