▽4五角戦法に対する先手の正しい応接を見ていただきます
「図1」
後手の持駒:飛 銀
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・v銀 ・ 馬|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v桂 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v角 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 香 ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 銀 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 歩四
手数=29 ▲3六香打 まで
「図1」は先手が▲3六香と打った前章の「図2」と同じ局面です
「図1」から「図2」までの手順
▽同 角 ▲同 歩 ▽5四香 ▲8五飛 ▽4五桂 ▲同 飛
▽5七香成 ▲5八歩
「図2」
後手の持駒:飛 銀 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・v銀 ・ 馬|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩v杏 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 桂 歩三
手数=37 ▲5八歩打 まで
後手の▽5四香には▲8五飛と打つ手が最善となり またこの手で後手の
手段を封じる事が出来ます ここで▽5七香成とするのは▲5八歩打で
手になりません この時▽8八飛打が利けば後手の勝勢となるのですが
▲8五飛がこれを防ぐと共に▲8一飛成を狙っている訳です
▽4五桂 ▲同飛で▲8一飛成を無くして飛車の位置を変えましたが
今度は1一の馬が8八に利いて「図2」では先手優勢です
これで終わりと言いたい所ですが この手順の中で▽5四香で▽5五香と打つ
一種のハメ手が有るので それを解説しておきます
▽5五香にも▽5四香の時と同じく ▲8五飛ですと▽2五飛と打つ手が
有ります この手に▲8一飛成では▽2八飛成が厳しく先手不利となるので
▲2七歩と受けますが そこで▽5七香不成(王手)▲5八歩打 ▽8五飛と
飛車を取られて負けになります このような手筋を”素抜き”(すぬき)と
呼びます「図3」
「図3」
後手の持駒:飛 銀 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・v銀 ・ 馬|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v桂 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・|四
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩v香 歩 ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 金 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二
手数=38 ▽8五飛(25) まで
以前にも述べましたが手筋と言うのは 単に記憶するのでは意味が無いのです
相手の手が変わった時に対応出来なければいけません この▽5五香には
▽5四香には悪手だった▲6六角が好手となります この場合は▽5四香の
時と違い▽4五桂には▲5五馬で香が取れるからです