阪田流と同様に、角道を止めて飛車を振る通常の定跡型振り飛車では無く
力戦型向かい飛車として、20章と21章で解説した鬼殺しに似た狙いを
含んだ”鬼殺し向かい飛車”を本章と次章で御紹介する事に致します
「図1」までの手順
▲2六歩 ▽3四歩 ▲2五歩 ▽3三角 ▲7六歩 ▽2二飛
▲3三角成 ▽同 桂
「図1」
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金v銀 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩v桂v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=8 ▽同 桂(21) まで
▲2五歩 ▽3三角と決めて▲7六歩と角道を開けた手に、角道を止めず
▽2二飛といきなり飛車を振り ▲3三角成に▽同桂と取った「図1」が
鬼殺し向かい飛車の基本形です この局面で▲6五角と打ち、4三と8三の
両成りを狙う手が見えますが 実はこれは鬼殺し向かい飛車の餌食となります
「図1」から「図2」までの手順
▲6五角 ▽4五桂 ▲4八銀 ▽3三角
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金v銀 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ 角 ・v桂 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=12 ▽3三角打 まで
▲6五角に▽4五桂と跳ね 5七の地点を▲4八銀と守った時に▽3三角
まさに鬼殺しの手順そのもので「図2」となり次の▲9九角成が受かりません
この形で角の両成りを狙う手は、常に現れますが成立しない事が多いのです
そこで先手も慎重に駒組みを進めて行く事になります
「図1」から「図3」までの手順
▲4八銀 ▽4二銀 ▲6八玉 ▽3二金 ▲7八玉 ▽6二玉
▲8八銀 ▽7二玉 ▲7七銀 ▽1四歩 ▲6八金
「図3」
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v玉 ・ ・v銀v金v飛 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩v桂v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 金 ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=19 ▲6八金(69) まで
対鬼殺しと同じく 今度は先手も▲4八銀から慎重に駒組みを進めて行きます
こうなると後手側も急な手は無いので▽3二金と攻勢型にして玉を移動します
以下「図3」まで互いに陣形の整備をして 闘いは、まだこれからと思える
局面ですが ここから後手に意外な手が有ります また「図3」までの手順中
▽1四歩と後手が端歩を突いた手は重要な一手となります その訳は次章で