若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】59 先手の攻める向かい飛車[2]
投稿日: 2005/03/03(Thu) 17:22
投稿者千鳥銀

先手が▲8八飛と向かい飛車にした手に、前章では後手が▽6二銀としました
本章では この手に変えて▽3四歩と乱戦含みに角道を開けた場合の変化を
解説する事にしましょう

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽8四歩    ▲5六歩    ▽8五歩    ▲7七角    ▽5四歩
▲8八飛    ▽3四歩    ▲6六歩    ▽6二銀    ▲6八銀    ▽7四歩
▲4八玉    ▽6四歩    ▲3八玉    ▽4二玉

「図1」
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉 ・v角 ・|二
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 飛 ・ 銀 ・ ・ 玉 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=16  ▽4二玉(51)  まで

後手の▽3四歩に対して 先手には幾つかの選択肢が有ります
その中で最も激しい手が▲2二角成 ▽同銀 ▲5三角と打って馬を作る
狙いですが これには後手も同様に▽5七角として以下乱戦となります
もちろん、それで悪くなる訳ではありませんし先手側にも面白い策が
有るのですが 向かい飛車とは大きく外れます
また▽3四歩として乱戦を望んだ後手の狙いを外したい所でも有ります

他に▲6八銀と角道を開けたまま攻勢をとる”升田流向かい飛車”と言う
戦型も選べますが これは57章で解説した4手目▽3三角型と重複する
部分が多いので、今回は▲6六歩と角道を止めます
▽7四歩は先手の▲8六歩と逆襲して来る手に▽7三桂或いは▽7三銀を
用意した手です また先手から▲7五歩と位を取られる手を消す意味も
有ります 後の章で解説しますが▲7五歩と突く有力な戦法が有るのです
▽6四歩は、この歩を突かずに▽4二玉とすると すかさず▲8六歩と突かれ
以下、飛車の素抜きの筋で不利となるのは 50章で解説した通りです

「図1」から「図2」までの手順

▲6五歩    ▽5三銀  ▲6四歩    ▽同 銀    ▲2二角成  ▽同 銀
▲6三角    ▽4四角

「図2」
後手の持駒:歩 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉 ・v銀 ・|二
|v歩 ・ ・ 角 ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v銀v歩v角v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 飛 ・ 銀 ・ ・ 玉 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=24  ▽4四角打  まで

▲6五歩が先手の狙いの一手です ▽同歩と取ると▲2二角成の角交換から
▲6四角の王手飛車が有ります また▽4四歩では▲6四歩と取り込まれて
やはり後手が不利となるので▽5三銀とします 角交換しての▲6三角に
後手の▽4四角は、先手が▲7三銀または▲7三桂と受ければ▽6五銀として
▽7六銀とすり込む手、或いは▽6二歩と角を殺す手が狙いです
これで先手が困ったようですが

「図2」から「図3」までの手順

▲6六歩    ▽同 角    ▲7七銀    ▽5七角成  ▲5四角成  ▽7三銀
▲5八飛    ▽2四馬    ▲6四歩    ▽6二歩    ▲5五歩    ▽5三歩
▲6五馬

「図3」
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v歩 ・v玉 ・v銀 ・|二
|v歩 ・v銀 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩 歩 ・ ・v歩v馬 ・|四
| ・v歩 ・ 馬 歩 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 ・ ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 飛 ・ 玉 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=37  ▲6五馬(54)  まで

「図2」で▲6六歩と受けるのが好手です このように飛角香の利きの中間に
歩を打って受ける手筋を”中合い(ちゅうあい)の歩”と呼びます
▽同角と取らせて▲7七銀と角取りの先手で受けられるのが中合いの効果です
▽5七角成に▲5四角成で銀取り ここで▽5三銀と逃げるのは▲5五馬の
飛銀両取りが有るので▽7三銀としますが ▲5八飛と強く交換を迫り
▽同馬なら▲同金右で先手陣に飛車を打ち込む隙が有りません
馬が逃げる事になりますが 大駒の働きに差が有り、先手の優勢です
「図3」までは以下の変化の一例です


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