本章では先手のメリケン向かい飛車の飛車先逆襲に 後手が一工夫した
受け方をした場合の解説をします
「図1」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金 ・v玉v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 飛 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 角 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=19 ▲同 飛(88) まで
「図1」は先手が飛車交換を迫った前章の「図2」と同一局面です
「図1」から「図2」までの手順
▽8四歩 ▲4八玉 ▽4二銀 ▲3八玉 ▽1四歩 ▲1六歩
▽9四歩 ▲9六歩 ▽6四歩 ▲7六飛 ▽6三銀
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金v銀v玉v角 ・|二
| ・ ・v歩v銀 ・v歩 ・v歩 ・|三
|v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 飛 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|六
| ・ ・ 角 銀 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ 玉 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=30 ▽6三銀(62) まで
▽8四歩と一つ控えて受けたのが後手の対策です ▲4八玉で▲7六銀として
あくまで飛車先から逆襲に行くのは ▽9四歩 ▲8五歩 ▽同歩 ▲同銀に
▽9三桂 ▲8四歩 ▽8五桂 ▲同飛 ▽7六銀「図3」で不利となります
前章と一手の違いが生じる為 ▲8五銀に▽9三桂が間に合うのです
▽8四歩と謝らせた事で充分ポイントを上げたので ▲7六飛と転回するのが
この形では好手となります 44章で御紹介した縦歩取り戦法の変化で
解説した理想的な陣形に似た戦型が組み上げられるのです
「図3」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金 ・v玉v角 ・|二
| ・ ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
|v歩 歩 ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ 飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・v銀 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 角 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂
手数=30 ▽7六銀打 まで
「図2」から「図4」までの手順
▲2八玉 ▽8五歩 ▲3八銀 ▽5三銀 ▲5六銀 ▽5五歩
▲4五銀 ▽3五歩 ▲3四銀 ▽4二金上 ▲6五歩 ▽5六歩
▲2二角成 ▽同 玉 ▲5六飛 ▽6五歩 ▲2六飛 ▽3二金
▲4一角 ▽2四角 ▲同 飛 ▽同 歩 ▲3二角成 ▽同 玉
▲2三角 ▽2二玉 ▲4一角成
「図4」
後手の持駒:飛 角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ 馬 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・ ・v玉 ・|二
| ・ ・v歩v銀v銀v歩 ・ ・ ・|三
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 銀v歩v歩|四
| ・v歩 歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|五
| 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| ・ ・ ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 歩二
手数=57 ▲4一角成(23) まで
「図2」から先手側は玉を固め▲5六銀と繰り出し ▲6五歩 ▽同歩 ▲同銀
▽6四歩 ▲7四歩と言う攻めを狙うと言った分かり易い手順となります
この狙いが実現しては拙いので、▽5五歩で銀を撃退しようとしますが
▲4五銀と進出して行きます この玉頭銀は迂闊に出ると銀を殺されますが
ここの局面での後手陣は左翼の守備に手を掛け、玉側が手薄なので有効です
以下「図4」までは進行の一例です ▲6五歩に▽5六歩は負担になる角を
捌こうとした手です 角交換して▲5六飛に▽3二金と先に受けたい所ですが
直後に▲7一角が有り▽6二飛に▲5三飛成でそれまでです
「図4」は次に▲2三銀成で詰みですが それが分かっていても受ける手が
有りません このように一手空けても詰みが防げない状態を”必至(ひっし)”
と呼びます