本章では先手が持久戦に持ち込む例を御紹介します
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・v飛 ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・v歩v角v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=14 ▽7二玉(62) まで
「図1」は前章「図1」と同一局面です
「図1」から「図2」までの手順
▲4六歩 ▽4二銀 ▲4七銀 ▽5三銀 ▲7七角 ▽5四銀
▲6六歩 ▽4四歩 ▲6七金 ▽8二玉 ▲8八玉 ▽7二銀
▲9八香 ▽4二飛 ▲4八飛 ▽5二金左 ▲9九玉 ▽6四歩
▲8八銀 ▽6三金 ▲7九金 ▽7四歩
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
|v歩v歩 ・v金 ・ ・v角v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩v銀v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 金 歩 銀 歩 ・ 歩|七
| 香 銀 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=36 ▽7四歩(73) まで
▲4六歩 ▲4七銀と中央の守備を固めてから▲9八香 ▲9九玉と潜ります
今までも何度か紹介しましたが、この居飛車穴熊が対振り飛車の最強手段と
言える物で有るのは確かです しかしこのゴキゲン中飛車には疑問なのです
▽5四銀の形は好形で▽4二飛から▽5二金 ▽6三金と駒組みの整備をして
「図2」となった局面では後手の作戦勝ちです ここでは先手に有効な手が
無くなっており、既に動きにくくなっています
「図1」から「図3」までの手順
▲6六歩 ▽4二銀 ▲6七金 ▽5三銀 ▲7七角 ▽8二玉
▲8八玉 ▽7四歩 ▲7八銀 ▽9二香 ▲4六歩 ▽9一玉
▲3六歩 ▽8二銀 ▲4七銀 ▽5四銀 ▲1六歩 ▽7一金
▲3七桂 ▽4四歩
「図3」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v玉v桂v金 ・ ・v金 ・v桂v香|一
|v香v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩 ・v歩 ・ ・v角v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・v銀v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 角 金 歩 銀 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 銀 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
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先手の持駒:なし
手数=34 ▽4四歩(43) まで
▲4八銀のまま▲6六歩から居飛車穴熊に素早く囲いに行く手も有りますが
5三に銀を置いてから▽7四歩とされると、先手の狙いは実現出来ません
▲7八銀の所で▲9八香とすると▽6四銀 ▲9九玉 ▽7二飛で角頭が
受からず困る事になるのです「図4」
「図4」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・v玉v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩 ・v歩 ・v歩v角v歩v歩|三
| ・ ・v歩v銀 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 金 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=26 ▽7二飛(52) まで
左美濃に変更を余儀無くされた先手の駒組みを見て、逆に後手だけ穴熊に入り
「図3」まで、やはり後手の作戦勝ちとなります
このようにゴキゲン中飛車は振り飛車にとって最大の難敵である居飛車穴熊に
しにくいと言う特徴が有り 先手側の手段を限定させる事が出来るのです