77、78章では先手が7手目▲4八銀とした場合の変化を御紹介しました
本章では7手目▲7八金とした場合の攻防となります
「図1」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲2五歩 ▽5二飛
▲7八金 ▽6二玉 ▲4八銀 ▽7二玉 ▲6九玉 ▽5五歩
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽3二金
「図1」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・v銀v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・v飛 ・v金v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 玉 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=16 ▽3二金(41) まで
▲7八金に▽5五歩としても▲2四歩は成立するので▽6二玉とします
この手に▲2四歩と行くのが危険なのは75章で解説した通りです
▽7二玉と玉を移動してから▽5五歩とします この瞬間に▲2四歩と
飛車先を交換に来ますが、ここで▽5六歩は当然有効では無いので
普通に▽3二金と守ります
「図1」から「図2」までの手順
▲2八飛 ▽5六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲6六歩 ▽2七歩
▲同 飛 ▽2六歩 ▲2八飛 ▽6六飛 ▲同 角 ▽同 角
▲7七桂 ▽2七角 ▲5九金 ▽4四角
「図2」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・v銀v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v角v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・|六
| 歩 歩 桂 ・ ・ 歩 歩v角 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 ・ 銀 玉 金 ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 歩三
手数=32 ▽4四角(66) まで
「図1」では▲2八飛と引くのが自然に見えますが 穏やかに▽2三歩とは
打ってくれず ▽5六歩と突かれ▲同歩 ▽同飛に局面を納めようと▲6六歩
としても▽2七歩から飛車を押え、以下「図2」まで後手優勢となります
次に▽5四角成が鉄壁となりますし 後手陣に飛車を打ち込む隙も有りません
2八に引いた飛車が、かえって攻撃目標になってしまったのです
「図1」から「図3」までの手順
▲6八銀 ▽3五歩 ▲2八飛 ▽2三歩 ▲6六歩 ▽5四飛
▲4六歩 ▽2四飛 ▲2五歩 ▽3四飛 ▲4七銀
「図3」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・v銀v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・ ・ ・v金v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 銀 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 銀 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 玉 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=27 ▲4七銀(48) まで
▲6八銀と中央を固めて前述の筋を消してから▲2八飛と引きます
これには▽3五歩から飛車を5四、2四、3四と捌く手が有力です
先手の▲7八金は、横から攻められる事が多い振り飛車戦では良い形とは
言えない為、玉が8八に入るような囲いが出来る前に捌いてしまうと
言う策が考えられるからです
手順中▽2四飛に▲同飛と飛車交換をするのが拙いのは言うまでも無く
飛車先を切った歩を、▲2五歩と打たせる事が出来ます
ここで玉の囲いについて解説しておきます 今までいろいろな戦型を見て
頂きましたが 居飛車は角の頭に敵の飛車先の歩が伸びてくるので
▲7八金として守る手が良い形となりますが 振り飛車の場合は7八に
玉を持って行くのが駒組みの手順としては安全となるのです
そう言う意味で7手目に▲7八金とする手は ゴキゲン中飛車の序盤での
角交換からの速攻を押える事は出来ますが 飛車交換などの大捌きには
より以上に弱いと言えるのです
「図3」からは変化は多岐に渡りますが 5筋を押えているので
石田流や、ひねり飛車と比べて見ても後手側の手段が多く 逆に先手側は
動きを制限されて、この形は先手の方が気を使う事になると言えるでしょう