前章に引き続き、升田流▲3八角打からの変化を解説します
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v銀v歩v歩 ・v銀v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・v角v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 銀|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 角 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=25 ▲6八玉(59) まで
「図1」は前章「図5」と同一局面です
「図1」から「図2」までの手順
▽1四歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽同 銀 ▲同 飛
▽3三金 ▲2五飛 ▽1三桂 ▲2六飛 ▽2五歩 ▲5六飛
▽2二飛 ▲2七角
「図2」
後手の持駒:銀
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
|v歩 ・v銀v歩v歩 ・v金 ・v桂|三
| ・ ・v歩 ・v角v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 飛 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩 角 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩
手数=39 ▲2七角(38) まで
▲6八玉に▽1四歩と銀交換を催促して、以下▲2五飛に▽1四歩と突いた
手を利用して▽1三桂と飛車に当てる、と手順を尽くしますが▲5六飛から
「図2」の▲2七角と、ただ捨てに出た局面では先手が優勢です
この▲2七角に▽同角成なら▲5三飛成 ▽5二銀 ▲3三龍で先手勝勢です
3三の金が▽1三桂で浮いてしまったのが拙かったのです
ただし▽2二飛と回る手で▽6四銀とする手は有ります これには▲5四飛と
飛車を切り▽同歩 ▲4六歩 ▽7三銀 ▲6五角で形勢不明で難解ですが
先手も充分に闘える局面です「図3」
「図3」
後手の持駒:飛 銀
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・v銀v歩 ・ ・v金 ・v桂|三
| ・ ・v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ 角 ・ ・ ・v歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
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先手の持駒:角 銀 歩
手数=43 ▲6五角(38) まで
「図1」から「図4」までの局面
▽2二銀 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 銀 ▽2三歩 ▲1五銀
▽6四銀 ▲4六歩 ▽7五歩 ▲同 歩 ▽同 銀 ▲7六歩
▽8六歩 ▲同 歩 ▽7六銀
「図4」
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二
|v歩 ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v角v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀|五
| ・ 歩v銀 ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 銀 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 角 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
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先手の持駒:歩二
手数=40 ▽7六銀(75) まで
先手の棒銀に対して▽2二銀とするのは消極的で得策では無いと従来言われて
来たのですが「図1」の局面では有効だったのです
先手の銀を1五に追ってから▽6四銀と早繰り銀で反撃に出ます
手順中▲7六歩に▽同銀だと▲同銀 ▽同角に▲6五銀で角を殺されます
また▽8六歩 ▲同歩に▽同銀と、こちらに銀が出ると▲8三歩と飛車先を
押えられて、後手の▽5四角と打った狙い筋を逆にくいます ▲4六歩は
これが狙いの好手ですが ▽8六歩と突き捨ててから▽7六銀としたのが
それを上回る好手順で「図4」では後手優勢です
以上で角換り棒銀の代表的な変化を御紹介しましたが87章でも触れたように
後手の早繰り銀模様の▽7三銀型には、難局になるケースが多くなってしまい
あまり指されなくなっていました しかし最近また指されるようになって来て
います 何故なのか、その訳はまた後の章で