タイトル | : 私の思い出 |
投稿日 | : 2005/03/01(Tue) 01:05 |
投稿者 | : 飛路 |
トラウマ(この用語の正確な意味は存じません)というほどではありませんけど、 私にも、フラッシュバック(同前)のごとく、思い出される光景があります。 ★ある条件が重なると、ふと思い出す、あの母の姿です。 * * * * * * * 私も“オジさん”と呼ばれると、ごく自然に「おぅっ」と返答してしまう・・・ そんな自分にさえもハラが立つこともなくなった、そういう哀しい年齢に、つい、 無計画に、達してしまいました。とほほ・・・ (↑なんだか分かりにくい表現だな^^;) でも、そんな私にだって、心柔らかな少年時代が御座いました。 その頃、母は、パートやらアルバイトやらをやっておりまして、家計を助けてく れて(「助け」というよりも主役かも)いました。派遣会社に在籍していて、掃 除の仕事をしておりました。 つまり私の母は、スーパーマーケットに派遣されて、床にモップをかけたり、ゴ ム手袋をしてトイレ掃除をしたりしていたのです。私も多感なお年頃でしたから、 そんな母の姿が目に焼きついております。 当時、通学していた学校で友人から、 「おいっ!お前の、かぁちゃん△△スーパーで見たぞっ。」 などと言われるのは、正直申しまして、ちょっとイヤでした。(今だから正直に 言えますけどねぇ。)その友人も別に悪気があったわけではないと思います。 ですから『職業に貴賎なし』と、胸を張っていれば良かったのでしょうけど、幼 少の自分には、まぁ、そんな余裕は、ありませんでした。せいぜい虚勢を張って、 「あぁ、そうさっ。そうだよ。オレの家は貧乏だからな。かぁちゃんも働かなきゃ ならないのさっ!」 などと、(別に誰も言い訳を求めてなんかいないのに)そんな程度の、ちゃちな 返答しかできませんでした。 (オレも幼かったのぅ・・・) * * * * * * * 今でも、雑居ビルの片隅ですとか、地下街の通路、あるいは駅のホームなどで、 清掃員のユニフォームを着て掃除をしている女性を見かけたりしますと、 「ハッ!」っとして、当時の母の姿を思い出したりしてしまいます。 それは、当時、友人から、からかわれたりした『嫌な思い出』を思い出すわけで はありませんし、また、頑張って私たちを育ててくれた『母の優しさ』を思い出 すわけでもありません。 昼夜苦労していたであろう母を、逆に、むしろ恥ずかしいものででもあるかのよ うに感じていたかも知れない、そんな未熟な自分自身を、今になって恥じている、 と言うわけでもありません。 * * * * * * * さて、私が、なぜ今、あかの他人の清掃員を見かけて、当時の母の姿を思い出し てしまうのか、その理由は私にも、なんだかうまく説明できません。でも、そう いう感覚を、私自身は、心の中では納得できています。