千 日 亭
[トップに戻る] [記事リスト] [新着記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

タイトル 女流王座戦二次予選、藤井奈々VS塚田恵梨花
投稿日: 2021/05/28(Fri) 16:10
投稿者丹善人

リコー杯女流王座戦二次予選、藤井奈々VS塚田恵梨花の対局は、130手で後手の
塚田恵梨花が勝ち本戦出場を決めました。

先手藤井奈々、先手番ゴキゲン中飛車、後手塚田恵梨花は居飛車。後手が角交換に
なるのを嫌って角道を止めた瞬間に,先手が5筋で歩の交換。後手は美濃に組むと、
先手は穴熊に潜りました。

開戦は後手が7筋の歩を突いて、応じたところで、8筋の歩を突き、角頭に歩を
貼って後手は飛車が前進。角の利きで8八歩と受けますが、後手は銀を上げて
角狙いに。8筋は金を寄せて守り、さっと角を3九まで引きます。

後手も飛車を戻したので、先手は歩成りで桂馬を釣り上げてからの歩打ち。しかし、
後手は8七歩と貼って、飛車成りあるいは角の成り込みを狙います。後手が
桂馬を上げて攻め駒を増やしたので、先手は銀交換で持ち駒を増やし、さらに
角銀交換で手番も取って後手飛車そばにと金を作ります。交換時に歩が上がって、
後手の角道も鬱ぎ、飛車も追い込んだので、大駒に成り込まれる筋は消えました。
しかし後手玉回りが堅陣になり、攻め込むのが難しくなりました。

先手藤井奈々は銀貼りで飛車取りを図りますが、後手塚田恵梨花も角が飛び出して
飛車金両当たり。両取り逃げるべからずで、飛車銀交換に出る先手。この銀の取り方
次第では先手有利な展開となるので、やむを得ず、先手の飛車が逃げる順を選ば
ざるをえませんでした。

なおも角貼りで先手の飛車をしばろうとする後手。ここで先手は飛車を見捨てての
後手守り陣の金取りのと金寄り。飛車を取らせても、金取りから飛車の打ち込みが
成立し、角取りになるという計算。後手も角取りは承知の上で、玉の守りを固め
ます。飛車成りで角を取った先手ですが、後手玉は遠い。後手も飛車の打ち込みと
角成りで穴熊潰しにかかりますが、せんてはます飛車の利きを歩で止め、さらに
攻防に利かす馬の道もさえぎります。

ならばと香車打ちで龍を攻める後手。先手は角貼り王手で駒を使わせて、とりあえず
龍を逃がします。まだまだ余裕のある後手はじっくり駒を寄せて穴熊玉に迫ります。
角取りに後手が龍を動かしたので、先手は角切りせざるを得ず、取った金で穴熊の補強。
しかし攻める手立てが見つからないので、蒸し焼きにされるかも知れません。

先手藤井奈々は攻めに金を貼りますが、後手塚田恵梨花はその金を狙っての馬移動。
先手はその間に後手守り駒の金銀をはがします。後手は先手の攻め駒の竜取りの金打ち。
これを無視して、先手は金を取った後手の馬取りに。結果、龍馬交換に。
攻防に角貼りとする先手ですが、後手は着実に穴熊の守り駒をはがしていきます。
またまた角と金銀の2枚替えとなりましたが、後手は攻防の角貼りで先手玉を
追い詰めます。

ついに2枚角で攻めきろうという後手の寄せが開始されます。角を渡して、後手玉も
詰めろがかかってしまいましたが、豊富な持ち駒で寄せきってしまおうと言う所。
逃げようにも穴熊はどうしようもなく、塚田恵梨花が本戦進出を決めました。
前期まで本戦入り常連だった藤井奈々は、今期はこおで終了となりました。


【第11期リコー杯女流王座戦二次予選】女流王座:西山 朋佳

本戦シード:(前期女流王座、前期ベスト4)
里見 香奈女流四冠  伊藤 沙恵女流三段
山根ことみ女流三段  加藤 桃子女流三段

本戦出場決定
・  ・  ・塚田恵梨花女流初段
・  ・  ・加藤結李愛女流初段
・  ・  ・
・  ・  ・

藤井 奈々 ●  ○ 塚田恵梨花  130手

塚田恵梨花女流初段---+
           +-塚田恵梨花女流初段
藤井 奈々女流初段---+


÷  丹善人  ÷


- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
タイトル
メッセージ   図表モード 手動改行 強制改行  
参照先−(入力禁止です)
暗証キー (英数字で8文字以内)
  プレビュー

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー