千 日 亭
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タイトル 女流王座戦五番勝負第1局
投稿日: 2018/10/23(Tue) 18:39
投稿者丹善人

3連覇をかける里見香奈女流王座に、将棋連盟理事ながら最年長挑戦者となった清水市代が
挑戦する、リコー杯女流王座戦五番勝負第1局は、168手で後手の里見香奈が先勝しました。

羽生永世七冠が七冠独占をおこなったとき、注目度は低いながらも、当時の女流タイトル
独占の女流四冠を保持していた清水市代。現在もその4タイトルで永世称号を持ち、
未だタイトルを保持している羽生善治と同様に、女流棋界において、未だに多くの有力若手
女流棋士の前に壁として立ちはだかり、今もこうして挑戦者として戻ってきていることに
すごみを感じると共に、若手女流棋士のあこがれと模範となっています。
ただ、里見香奈との番勝負では今回が9回目となり、過去8回はすべて里見の奪取・防衛と
なっている実情ではあります。

先手清水市代、いつもの居飛車に、後手里見香奈はゴキゲン中飛車の出だしとなりました。
先手は超速銀でこれに対抗。駒がぶつかる前に後手は美濃に囲い、先手は玉を4八に上げて、
9筋の歩を伸ばしていきます。
ここで後手は5筋の歩を突っかけます。先手は先に6六歩と角道を止め、後手から5筋の
歩の交換。先手は金で取り、後手は銀を上げていきます。
先手も5筋の傷を消してから銀の上げると、後手は向かい飛車に振り直し、2筋の突き合いで
1歩を得てから角道を開きます。
後手の角が4四に上がったので、これをとがめようと、先手は4筋の歩を伸ばし、金を上げて
攻めかかろうとしますが、後手は桂馬を上げて角頭を守り、さらには7一まで角を引きます。

先手は後手の角がいなくなったので角道を開けて飛車を狙いますが、後手は金を寄せて
保護。さらには角筋の2六に歩を貼って先手の飛車を止めます。
お互いの飛車が直接の当たりを避けて下段まで下がったところで、後手は桂交換に。ここで
角道が開いたので、後手の飛車が前進したところで先手は香車取りの角成り。これは
承知で、後手は歩成りで先手の飛車にプレッシャーをかけますが、これも先手の読みの内。
早速の後手玉頭への香車打ち。後手は先手の馬を使わせないように歩を貼って動きを
阻止します。ならばと先手は桂馬を上げて戦いに加えます。さらには交換した桂馬も
貼って一気に後手玉頭を攻めようと。
対する後手はと金が入って先手飛車を追いやり、香車を取って損得なしに。そして
飛車角成りと入り込みます。どちらが先に相手玉を寄席に入るのかの争いとなりました。

先手は馬を押さえている金銀を攻めて、馬が仕える形に持っていきます。持ち駒の乏しい
先手は金銀交換で持ち駒を増やす作戦に。
先手は馬を仕えるようになりましたが、その代わりに後手の離れ駒だった金が守りに
使えるようになって痛し痒しという所。先手が飛車が仕えないので、馬を使う形にすべく
6四に歩を突いて馬が出て来る形にしました。金銀交換で持ち駒を増やしてから
馬が6四に出てきます。先手としては一気に後手玉頭の8三に狙いを付けて攻めたい
ところですが、後手も金銀交換の所で馬が3五に出てこれたので、後手からの攻めも
見込めるところとなりました。

後手は先手の馬を止めるのに6三歩と打ちましたが、先手は2八へ龍当てに馬を引きます。
交換すれば使えていない先手の飛車が使える事になり、後手としてはそれは許せないと
竜を逃がしますが、先手は飛車交換でもよしとして、何とか交換を迫ります。飛車さえ
手持ちに出来れば馬取りにもなる打ち込みが厳しい手となります。
千日手狙いで打開を図ろうとする後手でしたが、とうとう追い詰められ、やむなく
飛車交換に。

自玉が危うくなった後手は、飛車を打たせないように4一に香車を貼って守りますが、
先手は6二に歩を打って取らせることで後手玉の逃げ道封鎖を図りました。
そうしてから香車狙いの飛車の打ち込み。これは攻め駒として使いたい後手の持ち駒の
金を貼るしかなく、後手からの攻めの手段がなくなってしまいました。

先手は先手玉のこびんに利いている後手の馬を遠ざけてから角道を開き、8三の地点を
直接狙います。これが詰めろになっているので、後手は角道を塞ぎながら駒を足して
攻めの態勢を作ろうとしますが、ついに先手が突撃に入りました。
しかし1枚駒が足りないので攻めきれません。その間に後手は隙間をぬって、成香が
隙間に入って先手の馬を追い詰めてしまいました。

一見再び逆転模様になったかに見えましたが、先手は玉の下を狙う銀打ち。飛車切りで
金を奪う手があるので、先手からきっちり詰ます手があるので、馬を取っている余裕もなく、
さらには先手から香馬交換とすれば、正面から後手玉を詰ませる手も見つかります。
やむを得ず飛車切り阻止に出る後手でしたが、先手は銀金交換から馬切りで香車を奪って、
駒十分に。

しかし先手は自玉が危ういと判断して取った金を受けに使いました。この手がどうだったのか、
先手は駒不足に。それを補うかのように、後手玉を上に追い上げてから銀打ちで再度香車を
奪います。この手が間に合っているのかどうにも不明。攻めるにはここしかないと今度は
後手が先手玉に寄っていきます。

後手の攻めがまだ間に合わないと判断する先手は香車と歩だけで攻めを敢行。逃げ切ろうとする
後手に逃げ道阻止で控えていた飛車が3三に成って待ち構えます。しかしぎりぎりまだ
詰めろにはなっていないので、後手里見香奈はこの一手隙の間に相手玉を寄せる手を
模索します。寄せが可能と判断した後手は攻める手に。今度は先手清水市代が悩む番。
後手玉に詰めろをかけて勝負に出ましたが、終盤力の高い里見に読み抜けはありません。
一気の寄せとはなりませんでしたが、先手の頼みの攻め駒の龍を抜かれてしまって
先手からの攻めの決め手を失い、攻守替わっての先手からの攻めも駒不足。あとは
守り駒を増やす事しか道はなくなりましたが、すべては後手の読みの中。確実な寄せに
粘る事も許されずに清水市代の投了となりました。


【第8期リコー杯女流王座戦五番勝負】女流王座:里見 香奈

清水 市代 ●  ○ 里見 香奈

+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|    | 氏  名 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|女流王座| 里見 香奈 |  ○  | 先  |    | 先  |    |
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|挑戦者 | 清水 市代 | 先● |    | 先  |    |    |
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+
|    |      |168手|   手|   手|   手|   手|
+--------+------------+--------+--------+--------+--------+--------+

第1局 10月23日(火) 岐阜県 岐阜市 「十八楼」
第2局 11月 8日(木) 高知県 高知市 「ザ クラウンパレス新阪急高知」
第3局 11月21日(水) 静岡県 静岡市 「浮月楼」
第4局 12月 7日(金) 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」
第5局 12月20日(火) 東京都 渋谷区 「東京将棋会館」


÷  丹善人  ÷


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