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「図1」
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「図1」は前章「図3」と同一局面、森下システム基本形です。
「図1」から「図2」までの手順
▽9四歩 ▲7九玉 ▽9五歩 ▲8八玉
▽7三桂 ▲3七銀 ▽9三香 ▲2六歩
▽9二飛 ▲2五歩 ▽4二角 ▲2六銀
▽8五桂 ▲8六銀 ▽9七桂成 ▲同 銀
▽9六歩 ▲同 銀 ▽同 香 ▲同 香
▽同 飛 ▲9九香 ▽9七歩 ▲同 香
▽同角成 ▲同 桂 ▽7一香 ▲8六歩
▽7五歩 ▲同 歩 ▽7二香打 ▲8七玉
▽9五飛 ▲9六歩 ▽7五飛 ▲7七歩
▽9五歩
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「図2」
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「図2」まで一気に進めましたが、これは129章で御紹介したスズメ刺しを後手番で採用した物です。
しかしスズメ刺し自体は森下システムに対してそれまでも指されていたのです。
後手の工夫は右の金を5二に置いたまま飛車打ちに備えた点です。
更に▽4二角と途中下車して先手の▲2六銀を誘って飛車のコビンを空けさせてから▽8五桂と仕掛けるのがポイントです。
あまりに早く玉を囲ってしまう為にスズメ刺しが有効となるのです。
「図2」までの対策が優秀で、森下システムが指される事は無くなりました。
対スズメ刺しに有効な▲3七銀からの棒銀も矢倉に入城せず仕掛ける後手の新対策の前に敗れ去ったのです。
「図1」から「図3」までの手順
▽9四歩 ▲7九玉 ▽9五歩 ▲3七銀
▽9三香 ▲4六銀 ▽9二飛 ▲5五歩
▽同 歩 ▲同 銀 ▽4三金右 ▲5八飛
▽9六歩 ▲5四銀
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「図3」
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プロ棋界では消滅したと思われた森下システムですが、
深浦康市八段により▲7九玉のまま中央の薄さに狙いをつけ▲4六銀から▲5五歩と仕掛ける新趣向が生み出され、
昔ほどでは有りませんがタイトル戦にも登場するなど、再び指されるようになりました。
「図3」までは一例ですが以下は難解な将棋となります。
手順中▽4三金右で▽9六歩と行くのは▲同歩 ▽同香 ▲同香 ▽同飛に▲5三歩が絶妙手で、
▽同角なら▲5四香 角以外で取れば▲9七香打で飛車を殺す手が有り先手優勢となります。「図4」
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「図4」
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森下システムは高等戦術で初級者の方には難解と思いますが、矢倉の重要な戦型の一つなので御紹介しました。
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