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「図1」
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「図1」は前章「図1」と同一局面、▲5七銀左型に後手が24手目▽1二香とした所です。
「図1」から「図2」までの手順
▲6八金上 ▽5四歩 ▲6六歩 ▽6四歩
▲9七角
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「図2」
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前章では▽1二香に▲3八飛と鷺宮定跡に出ましたが結果は思わしい物では有りませんでした。
そこで▲6八金直(上)と上がり後手の出方を見ます。
ここで▽6四歩は▲3八飛としていない局面では有効で無いのと、
6八の位置が塞がった事により先手側に141、142章の端角戦法の選択肢が消えたので▽5四歩と突き、
▲3八飛なら▽4三銀で144章「図1」からの変化を狙います。
その▽5四歩に▲6六歩と突いて▲6五歩の位取りを見せ、それを嫌った後手の▽6四歩に▲9七角と覗くのが中原永世十段創案の有力戦法です。
「図2」から「図3」までの手順
▽5三金 ▲6五歩 ▽9五歩 ▲6四歩
▽9六歩 ▲8六角 ▽6二飛 ▲9五歩
▽6四金 ▲9六香
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「図3」
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▽6三金に▲6五歩と突きます。
これに▽同歩と取ると▲4二角成 ▽同角 ▲2二飛と銀香両取りに打って先手が有利となります。
▽1二香とした手が仇となってしまうのです。
香が1一ならば▽4三角で次に▽3三角と飛車を殺す手が有り逆に先手が不利となり、この戦法その物が成立しないのです。
▽5三金から▽6二飛として▲6四歩の取り込みに▽9五歩と角頭を狙いますが、
結果は「図4」まで端攻めを逆用されたうえ6四の金も動き難く後手不利となります。
「図2」から「図4」までの手順
▽6三銀 ▲6五歩 ▽同 歩 ▲4二角成
▽同 金 ▲7七桂 ▽7二金 ▲3五歩
▽同 歩 ▲3八飛
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「図4」
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▲9七角には▽6三銀と受けるしか無く、以下「図4」の局面は形勢は不明ですが、
形を乱して振り飛車の特徴である玉の固さが生かせなくなっていて居飛車側に不満は無いと言えるでしょう。
実戦例が少ない戦型ですが、▲5七銀左に対する▽1二香形には有力な手段と言えます。
どんな形にも完璧と言う物は無く、一つの狙いを封じれば別な策が生じる物なのです。
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