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「図1」
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図1」は先手の▲5七銀左に後手が▽4三銀と上がった所です。
「図1」から「図2」までの手順
▲6八金上 ▽5四歩 ▲3七銀 ▽1四歩
▲1六歩 ▽1二香 ▲4六歩 ▽6四歩
▲2六銀 ▽3二飛 ▲3五歩
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「図2」
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「図2」は「図1」から166章「図3」までに至る手順の途中35手目で、先手が▲3五歩と
棒銀を捌こうと戦端を開いた局面です。まずここまで互いに最善の手順で来ている事を解説します。
後手が▽1二香の前に▽1四歩と端を突いたのは、もしこの「図2」で端が突かれていないと
166章「図3」までの手順で解説した▽5一角には▲2四歩と突き捨てる手が生じて後手が
不利となるからです。この手に▽同歩なら▲1五銀と出て▽2二飛に▲4五歩と突く手がピッタリで
また▽同角なら▲4五歩 ▽同歩に▲1五銀と銀を捨てて▽同角に▲2三飛成と飛車が成り込んで
居飛車有利と言う、加藤一二三九段創案の”加藤流”の攻め筋が炸裂するのです。
次にこの「図2」の▲3五歩では▲3八飛と先に飛車が3筋に回っても変わりが無いように
思えますが、これが後手側の対応によって大きく違って来るのです。それを解説する前に
▲3五歩を先にした場合▽同歩と取って▲同銀に▽4五歩と大捌きに出る変化が気になる所なので
その変化を先に見て頂く事にします。
「図2」から「図3」までの手順
▽同 歩 ▲同 銀 ▽4五歩 ▲3三角成
▽同 飛 ▲3六歩 ▽3四歩 ▲2六銀
▽4六歩 ▲同 銀 ▽3九角 ▲2七飛
▽8四角成 ▲1一角 ▽3九馬 ▲3七銀右
▽3八馬 ▲2六飛
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「図3」
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▲3五歩を▽同歩と取って▽4五歩と捌いて来る手には角交換して▲3六歩と銀の下から
歩を打つのが好手で後手も▽3九角から馬を作る事が出来ますが、「図3」では次の▲2二角成が
厳しく先手の有利な形勢と言えます。やはり単純に角交換する手は通用しないのです。
「図2」から「図4」までの手順
▽6五歩 ▲3八飛 ▽4五歩 ▲3三角成
▽同 飛 ▲4五歩 ▽3五歩 ▲4八飛
▽3四銀 ▲2二角 ▽6三飛 ▲4四角成
▽4三金 ▲2二馬 ▽3三桂 ▲4四歩
▽4二金 ▲1二馬 ▽4五桂 ▲4六銀
▽6六歩 ▲同 歩 ▽3九角
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「図4」
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「図2」では▽6五歩と突く手が有るのです ▲3五歩の所で▲3八飛でも同じく▽6五歩と突き
▲3五歩に▽4五歩で、やはり「図4」までと同じ進行になります。
この大捌きは163章の「図4」までと似た形で、▽6五歩と先手の▲4六歩が入っているのが
違いとなっていますが、この違いが大きく直後に▽4六歩の取り込みや▽6四角などが生じるのです。
以下「図4」まで変化は有りますが、いずれも後手優勢となります。つまり▲3八飛を先にすると必然的に
この変化を辿る事になると言う訳なのです。したがって▲3五歩を先にして後手の▽6五歩に対しては
▲3八飛では無く別の手を用意すると言う事になるのです。以下は次章で。
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