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「図1」
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後手の12手目▽7二銀に、先手が▲1六歩と端歩を突いています。
前回までは▲3八銀と上がっていました。実は現在では▲1六歩が最善とされています。
この手が最善と言う事を理解して貰うには、それまでの経緯を順番に見ていただく方が良いと思い、
前章までは▲3八銀と言う以前に指されていた手順で解説しました。
▲1六歩で▲3八銀だと、後手も▽3四歩は思わしく無いと言う事で、角道を保留して▽6四歩と突くようになったのです。
そこで▲2四歩打と再度歩を合わせて▽同歩 ▲同飛で6四の歩と▲2三歩打を狙う”十字飛車”の手筋が見えるのですが、
以下▽1四歩 ▲6四飛 ▽1三角 ▲4八玉 ▽2八歩打で「図2」になります。
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「図2」
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この▽2八歩打で桂を取られてしまうので ”十字飛車”の手筋は不発で不利となります。
後手の▽1三角は▽2八歩打に▲2四飛と戻されない為です。
もし「図2」で▲1六歩と突かれていれば▲1七桂と逃げる事が出来るのです。
▲1六歩に後手も▽1四歩と受けますが、受けなければ▲1五歩と突き越し、ひねり飛車とは別の戦型を狙う事も出来ますが、
それはまた後の章で。
後手も先に▽1四歩と突いておけば十字飛車の▲2四歩には ▽同歩 ▲同飛 ▽6三銀と守れるので(▲2三歩打には▽1三角と逃げられる)受けています。
「図1」から「図3」までの手順
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽6三銀
▲2五飛 ▽2三歩 ▲8五飛 ▽同 飛
▲同 桂
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「図3」
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後手が▲7七桂にも飛車を引かない時は、この「図3」までの手段が有ります。
▲2四歩と前述の十字飛車含みの合わせ歩で、以下▽6三銀で防がれた瞬間▲2五飛と一つ引き、
次に▲2四歩打から▲2三歩成を狙います。後手が▽2三歩打と、それを受けた時に▲8五飛と7七の桂の利きを利用して飛車交換を実現した「図3」は、
先手有利な形勢です。したがって後手も▲7七桂には飛車を引く事になります。 以下は次章で。
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