ノーガード戦法[1]


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 今まで解説した横歩取り模様の手順の途中で、後手が先手を挑発する”ノーガード戦法”と言う奇襲策が有るので、 その御紹介と先手側の対策を見て頂く事にします。

「図1」までの手順

▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩
▲7八金 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛

「図1」


 横歩取り模様から先手▲7八金の時に、後手が▽3二金と上がらず突如として▽8六歩と先に飛車先交換に出る奇策が、 角頭を守らずに打って出る事から”ノーガード戦法”と呼ばれています。
この挑発的な手段に、当然の事ながら▲2四歩と行きたくなる所です。

「図1」から「図2」までの手順

▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽8八角成▲同 銀
▽3三角 ▲2一飛成 ▽8八飛成 ▲同 金
▽同角成 ▲7七角
「図2」


 ▲2四歩と突かせるのがノーガード戦法の狙いで、以下前章の19手定跡に似た手順で「図2」まで来ます。 ここから▽8九馬に▲1一角成としても19手定跡と違い▽5五桂が無いので、先手が指せる形勢です。
 また「図2」で▽7七同馬でも▲同桂で、やはり先手の方が指しやすい局面と言えるのですが、かなり恐い変化ではないかと思います。
 手順中▲2一飛成に▽8八飛成と飛車から行く所で▽8八角成と角から切ると、▲同金 ▽同飛成に▲3三角打の王手龍取りで、 それまでとなります。
40章の相横歩取り編でも述べましたが、 相手の研究を外すのも有効です。そこでこの後手の挑発に乗らず、尚且つノーガード戦法を咎める手は無いかと言う事になりますが、 ここでは大人しく▲8七歩と受ける手をお奨めします。なんだ、と思われた事でしょうが、気弱に受けただけの手では無いのです。

「図1」から「図3」までの手順

▲8七歩 ▽8四飛 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛
▽3二金 ▲2六飛 ▽2三歩 ▲1六歩 ▽1四歩
▲3八銀 ▽7二銀 ▲3六歩 ▽6四歩 ▲3七桂
▽6三銀
「図3」

 「図1」で▲8七歩と受けた手に 飛車を引く場所は▽8四飛と▽8二飛の2箇所となりますが、 まず▽8四飛と引いた場合は29章の相掛りの攻撃形を築いて行きます。 実は後手の▽8四飛と言う形は危険なのです。ここから先手の攻めが炸裂する事になります。


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