角換り腰掛け銀 先後同型[1]


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 飛車先を一つで止めると言う新しい手順により復活した角換り腰掛け銀は、再び先後同型が指される事になります。


「図1」


 「図1」は(角換りパターン2)です。 この手順が指されるようになって、初めから▲2五歩と決めてしまう(角換りパターン1)は指されなくなり、棋界から消えました。 したがってここからは「図1」を基本として解説して行く事になります。

「図1」から「図2」までの手順

▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲1六歩
▽1四歩 ▲4六歩 ▽6四歩 ▲4七銀 ▽6三銀
▲5八金 ▽4一玉 ▲6八玉 ▽5二金 ▲7九玉
▽5四銀 ▲5六銀 ▽3一玉 ▲3六歩 ▽4四歩
▲6六歩 ▽7四歩 ▲3七桂 ▽7三桂 ▲2五歩
▽3三銀
「図2」


 「図2」は87章「図4」と同一局面の腰掛け銀先後同型ですが、 その手順が大きく違っているのは今まで解説した理由による物です。

「図2」から「図3」までの手順

▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀 ▲1五歩
▽同 歩 ▲7五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩
▲同 飛 ▽2三歩 ▲2九飛
「図3」


 「図2」で▲8八玉と上がると▽6五歩と後手に先攻されて木村定跡の逆バージョンで先手が不利な形勢となります。 そこで▲7九玉の形の時に▲4五歩と仕掛けますが、 これは既に第一期隆盛期に升田幸三実力制第四代名人によって確立された攻撃法です。 木村定跡に似た手順ですが互いの玉型が違う事により全く別の将棋となるのです。 「図3」の▲2九飛までは、最近まで最善と言われていた物で、 ここまでも長い間に紆余曲折が有って導かれた局面です。

「図3」から「図4」までの手順

▽6三金 ▲1二歩 ▽同 香 ▲1一角


「図4」


 桂頭を守る為に木村定跡では▽6三角しか有りませんでしたが、▽3一玉型が▲4一角と打つ手を消しているので▽6三金とする事が可能となります。 ここからの先手の攻め筋も、様々な方法がとられた結果▲1二歩 ▽同香 ▲1一角と銀取りに打つ手が創案され、 これが意外に受け難く、結論として角換り腰掛け銀先後同型は先手有利なのではと言われたのです。以下は次章で




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