本章から相振り飛車の中でも実戦例が多く、昔から指されている向かい飛車と三間飛車の対抗型を見て頂きます。 「図1」までの手順 ▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3二飛 ▲6八銀 ▽6二玉 ▲6七銀 ▽7二玉 ▲7七角 ▽3五歩 ▲8八飛 ▽4二銀 ▲8六歩 ▽5二金左 ▲2八銀 ▽3六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 |
「図1」
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109章では▲6六歩に▽3五歩としましたが、 今回は▽3二飛と先に飛車を振ります。もちろん▽3五歩でも悪い訳では無いですが▽3五歩は急ぐ必要は無いのと、 ▲6八銀の所で▲6八飛と四間に振り、▽3二飛に▲6五歩と言う煩わしい手順を防ぐ意味です。「図2」 |
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「図2」
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「図2」では角交換が必至ですが ここから互いに動き難い将棋となり千日手模様になり易く、 派手にに見える割に先手として得策とは言えません。 したがって後手側も特に恐れる事は無いのですが、面倒は避けるに越した事は有りません。 先に▽3二飛として先手の動きを見て▽3五歩とする訳です。 「図1」から「図3」までの手順 ▲3七歩 ▽3四飛 ▲4八玉 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽4四歩 ▲5八金左 ▽6二金上 ▲3八玉 ▽8二銀 ▲8五歩 ▽4三銀 ▲8四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽8三歩 ▲8六飛 ▽4五歩 ▲6五歩 ▽3三桂 ▲7五歩 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽5四銀 ▲5六銀 |
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「図3」
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「図3」が相振り飛車の最も基本と言える陣形で▲4八金右とすれば先後共同型の玉形となりますが、 この囲いを二枚金囲い、又は金無双と呼びます。 また相振り飛車では浮き飛車に構えるのが基本的には好形となるのです。 「図3」から「図4」までの手順 ▽2四歩 ▲7六飛 ▽2五歩 ▲7四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽7三歩 ▲7六飛 ▽2四飛 ▲8六角 ▽2六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲2七歩 ▽2四飛 ▲7七桂 ▽3四飛 ▲4八金上 ▽1三角 ▲6四歩 ▽同 歩 ▲6五歩 ▽同 歩 ▲6四歩 ▽4六歩 ▲同 歩 ▽4五歩 ▲6五銀 |
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「図4」
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金無双の弱点は意外にも、その金二枚と玉が集結した6筋(4筋)で▲6四歩から▲6五歩の継ぎ歩が最も有力な攻め筋です。 「図4」では先手が勝勢と言っても過言では無い局面です。 |
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