▲4六銀戦法(左銀型)[3]


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 本章では前章からの後手最善型に対する別手段と、最善型を避けるための先手側の対策を見て頂きます。


「図1」


 「図1」は148章「図1」と同一局面、▲5七銀左に▽4三銀と上がった所です。

「図1」から「図2」までの手順

▲6八金上 △5四歩 ▲4六銀 △3二飛
▲3五歩 △1二香 ▲5五歩 △5三金
▲5四歩 △同 金 ▲2四歩 △同 角
▲5五銀 △同 金 ▲同 角 △3五歩
▲5三金 △4二銀 ▲5四歩 △5二歩
▲4二金 △同 飛

「図2」


 後手が▽1二香とした局面で先手側には、もう一つ▲5五歩と突く手が有ります。 しかしこれも「図2」まで後手優勢となります。 もし後手が▽1二香の所で▽6四歩と突いていれば、 ▲5五銀 ▽同金 ▲同角と出た後に▲6四角とする手が残って先手が優勢となるのですが、 残念ながらこれも後手最善型には不発となります。 結論として▽5四歩、▽1二香の形には▲3五歩と仕掛ける手自体が無理と言う事なのです。 この2手を指す余裕を与えては駄目なので、一手早く仕掛けるのはどうでしょうか。

「図1」から「図3」までの手順

▲4六銀 △3二飛 ▲3五歩 △5四歩
▲3四歩 △同 銀 ▲2四歩 △同 歩
▲3八飛 △3六歩 ▲同 飛 △4五歩
▲3三角成 △同 飛 ▲5七銀引 △3五歩
▲3九飛 △3二飛 ▲2三歩 △同 銀
▲2二歩 △同 飛 ▲3五飛 △3二飛
▲同飛成 △同 銀 ▲2二角

「図3」


 ▽4三銀にすぐ▲4六銀として一手早く仕掛けます。 ▽3五歩に▲3九飛として▲2二角を防いで▽3二飛まで前章「図2」までと同じ手順で進行しますが、 ▲2二角打を狙って▲2三歩として以下「図3」まで今度は先手が指し易い形勢となります。 最後の▲2二角が香取りになるのが要で、前章「図1」からこの攻め筋を同一手順で採用すると、 ▲2二角が空振りとなってしまうので先手が不利になるのです。

「図1」から「図4」までの手順

▲4六銀 ▽3二飛 ▲3五歩 ▽5四歩
▲3四歩 ▽同 銀 ▲2四歩 ▽同 歩
▲3八飛 ▽2二角 ▲4五銀 ▽4三銀
▲3二飛成 ▽同 銀 ▲4四銀 ▽4三歩
▲3三歩 ▽2三銀 ▲4三銀成 ▽同 金
▲4一飛

「図4」


 ▲2四歩、▲3八飛に対して▽2二角と引く手も後手側に有りますが、 この手は殆どの場合振り飛車側に有利とはなりません。 特にこの形では「図4」まで強攻して一時的には銀損ですがすぐに駒損は回復でき、 後手の左翼の角銀も働きが悪く先手優勢と言えます。

 この▲4六左銀型も更に多くの変化は有りますが、 ▲6八金直(上)と先手がしてから▲4六銀とした時の後手の最善型と、 先手が▽4三銀にすぐに▲4六銀と上がる手段を見て頂きました。 この二例にもまだ変化は有りますが最も重要と思える手順を紹介しました。



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