対四間飛車5筋位取り[4]


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 本章では後手が先手の6筋歩交換に反発する手段を解説します。

「図1」


 「図1」は前章「図1」と同一局面、先手が▲6六歩と突いた所です。

「図1」から「図2」までの手順

▽5四歩  ▲同 歩 ▽同 銀 ▲5五歩
▽6三銀引 ▲6五歩 ▽同 歩 ▲同 銀
▽6四歩  ▲5六銀 ▽7四歩 ▲3六歩
▽4三金  ▲4六歩

「図2」


 先手に6筋の歩交換をされる前に▽5四歩から5筋をの歩を交換して▽6三銀と 組み変える指し方は昔から有る物で、この形の5筋位取りには有力な手段ですが 力戦の将棋となり、はっきりと6筋歩交換に反発したとは言えません。 ただこの形は171章174章で御紹介したような▽3二金型の振り飛車にも 出やすい変化では有ります。

「図1」から「図3」までの手順

▽6三金 ▲6五歩 ▽6二飛 ▲7七銀
▽4五歩 ▲6六銀 ▽6五歩 ▲同銀右
▽6四歩 ▲5六銀 ▽4四銀

「図3」




 ▲6五歩とされた瞬間に▽6ニ飛と回る手が最強の反発手段です。これには先手も ▲7七銀から銀を応援に繰り出します。以下「図3」まで5筋の位にプレッシャーを 掛け、先手に自由な駒組みを許さない体制が出来て、後手に不満の無い形勢です。

「図1」から「図4」までの手順

▽6三金 ▲6五歩  ▽6二飛 ▲7七銀
▽4五歩 ▲6六銀  ▽6五歩 ▲同銀右
▽5四歩 ▲6八金上 ▽5三金 ▲5四歩
▽同 銀 ▲同 銀  ▽同 金 ▲6七歩

「図4」




 先手が▽6五歩に▲同銀右と取った瞬間に▽5四歩と突き、▽5三金と飛車先を 通すのも強力な反発手段です。この形も変化は有りますが「図4」までが先手の 応手としては最善で形勢は互角と言えますが、5筋の位は完全に解消されて 後手の反発手段は成功です。

以上で5筋位取りの解説を終了します。かなり以前は対四間飛車の主流戦法でしたが、 ここまで見て頂いた通り、敢て選ぶ戦型では無くなっています。更に今は持久戦策として 遥かに優秀な戦法が有る為、指され無くなっています。ただし対応を知らないと 何で悪くなったのか、分からないうちに負かされる事も有る戦型なので御紹介しました。

次章ではその、いつ悪くなったか相手が分からないうちに倒してしまうと言う恐ろしい 戦法を御紹介する事にします。


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