▽4一金型四間飛車[4]


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 本章では先手の▲4五歩早仕掛けの狙いに対して後手が▽4一金型四間飛車の 特徴を発揮し積極的に対抗する変化を御紹介したいと思います。

「図1」


 「図1」は前章「図1」と同一局面、先手が▲5七銀左とした所です。

「図1」から「図2」までの手順

▽6四歩 ▲4六歩 ▽5四銀 ▲5五歩
▽6五銀 ▲7五歩 ▽5四歩 ▲6六歩
▽7六銀 ▲5四歩 ▽5二飛

「図2」


 15章158章で解説した▲4六歩に▽5四銀と迎撃する手段が、▽4一金保留型により 大きな進化を遂げる事になります。▲5五歩 ▽6五銀に▲3五歩 ▽同歩 ▲3八飛と行くのは この形では▽3ニ飛と対抗され▲3五飛には▽2ニ角と飛車交換を図られ成立しません。 そこで▲7五歩と銀を殺しに行きますが以下「図2」では後手が指し易い局面と言えます。

「図1」から「図3」までの手順

▽6四歩 ▲4六歩 ▽5四銀 ▲3七桂
▽6五銀 ▲4五歩 ▽7六銀 ▲2四歩
▽同 歩 ▲4四歩 ▽3二金 ▲4五桂
▽4四角 ▲同 角 ▽同 飛 ▲5三桂成

「図3」




 ▽5四銀に▲3七桂と4五の地点に力を溜めます。此処で▽6五銀と7六の歩を狙いに 行くのは▽6四歩と突いている為、▽8四飛と回って先手の8七の地点を狙う手が 無く▲4五歩以下「図3」まで後手が不利となります。

「図1」から「図4」までの手順

▽1二香 ▲4六歩 ▽5四銀 ▲3七桂
▽6五銀 ▲4五歩 ▽7六銀 ▲2四歩
▽同 歩 ▲4四歩 ▽3二金 ▲7七歩
▽8五銀 ▲4五桂 ▽4四角 ▲2四飛
▽2三歩 ▲2五飛 ▽8四歩

「図4」




 「図1」で▽1ニ香とした手に対して「図3」までの攻め筋を先手が仕掛けると、今度は同じ手順で ▲5三桂成まで進んだ時に▽8四飛とされて先手が不利となります。そこで▽3ニ金に▲7七歩 ▽8五銀と銀を追ってから▲4五桂と行きますが以下、▽8四歩と2五の飛車で銀を取られる手を 事前に防いだ「図4」では、先手の角と玉頭をこの8五の銀で押さえ込んだ後手が優勢の局面です。

「図1」から「図5」までの手順

▽1二香 ▲6八金上 ▽5二金左 ▲4六歩
▽5四銀 ▲3八飛 ▽4三銀

「図5」


 ▽1ニ香に▲6八金直(上)と一旦締めます。この手を見て後手も▽5ニ金左と上がります。 しかし▲4五歩早仕掛けに▽1ニ香型は損になるので▲4六歩に▽5四銀と迎撃します。 この数手についての理由は139章から此処まで解説して来ました。 ▽5四銀に▲5五歩や▲3七桂は思わしく無い事は「図2」と「図4」までで見て頂きました そこで▲3八飛として後手の出方によって棒銀などを狙いますが、此処で▽4三銀と2手損して 銀が戻る手が有るのです。この四間飛車急戦型の将棋では双方共一手も指さない方が良いと  言う場合が有るのも今まで解説した通りです。こうして互いに得を求めながらの手の応酬が 続く事になるのです。

これで▽4一金型四間飛車の解説は終わりとしますが、この戦型はかなり高度な物となるので 難解だったと思いますし、他にも多数の戦型変化が有りますが、その中でも分かり易い形を 御紹介しました。139章170章章までの戦型に対しての変幻作戦として、特に 四間飛車側を持って指したい方は▲5七銀左型急戦で苦しめられている相手に使って見ると 意外な好結果を出せると思います。



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