縦歩取り戦法[1]


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 序盤の形1の相掛り型から、先手の利を最大限に活かそうとする”縦歩取り戦法”を御紹介します。

 まず1章で少しだけ触れた、互いに飛車先を突き合ってから5手目に▲7八金とせず▲2四歩と先行した場合を解説しておきます。

「図1」までの手順

▲2六歩  ▽8四歩  ▲2五歩  ▽8五歩
▲2四歩  ▽同 歩  ▲同 飛  ▽8六歩
▲同 歩  ▽8七歩  ▲2三歩  ▽8八歩成
▲同 銀  ▽3五角  ▲2八飛  ▽5七角成
▲2二歩成 ▽同 飛  ▲同飛成  ▽同 銀

「図1」


 14手目の▽3五角打までは1章「図2」で見て頂きました。 以下飛車が逃げ、▲2二歩成から角を取り返しますが、「図1」まで馬を作られ先手不利です。
▽8六歩に▲同歩と取る所で、▲2三歩と打てば先に角は取れますが、以下▽8七歩成 ▲2二歩成 ▽同銀となり、 後手の飛車は浮いていないので角を持っても手段が無く、結局▲2八飛と引く一手で▽8八と、と角を取り返されて、 歩を一枚損するだけとなります。

 手順中▲2二歩成を▽同飛で▽同銀と取るのは、▲3六角と打たれ▽6二飛と受ける一手となりますが、 ▲5二歩打と言う絶妙手で逆転します。
「図2」に特に示しますので この歩打ちの素晴らしさを感じてみて下さい。
「図2」


 この▲5二歩を▽同飛と取れば▲6三角成、それ以外の駒で取ったり▽4二玉と逃げるのは、 飛車の横利きが消え▲2二飛成で先手勝勢です。

以上の事から、相掛り手順で5手目に▲2四歩は無理で▲7八金となります。

「図3」までの手順

▲2六歩  ▽8四歩  ▲2五歩  ▽8五歩
▲7八金  ▽3二金  ▲2四歩  ▽同 歩
▲同 飛  ▽2三歩  ▲2六飛  ▽6二銀
▲3八銀  ▽3四歩  ▲3六飛  ▽3三金
「図3」
 後手の角道を開けた3四の歩を▲3六飛として狙うのが、序盤の形4の横歩取りに対して”縦歩取り戦法”と呼びます。ここからは次章で


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