縦歩取り戦法[3]


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 後手が角道を開けた3四の歩を▲3六飛と取りに行く、と言う一見したところ何の意味も無いように見える一手から、 思いもよらない展開となって行く、縦歩取り戦法の手順中でも初めて見た時には誰もが驚くのが前章「図3」の▲9七角だと思います。

「図1」 = middle >


 「図1」は前章の「図3」と同一局面です。ここまでの手順は23章24章を見て下さい。 この局面では当然ながら▽8九飛成と飛車を成る手が見える筈です。
それでは後手が飛車を成った場合はどうなるか。

「図1」から「図2」までの手順

▽8九飛成 ▲8八角 ▽7二金 ▲8六飛 ▽8三歩
▲6八金 ▽4四歩 ▲5九金 ▽4三金 ▲7八銀
▽8八龍 ▲同 飛
「図2」


 ▽8九飛成に▲8八角と戻すと後手の龍は動けなくなっています。次に▲8六飛と回られると、▲8一飛成が受からなくなるので、 ▽7二金として▲8六飛に▽8三歩と受けますが、以下龍を殺し飛車角の交換となった「図2」では先手の優勢な局面です。 手順中▲5九金が大事な一手で、これを怠ると「図2」まで来た時に▽7九角と飛金両取りに打たれ、▲8九銀の一手となり、 ▽8八角成 ▲同銀と飛車を取り返されてしまいます。このように飛成りを誘うと言うのが、縦歩取り側の罠だった訳です。

「図1」から「図3」までの手順

▽6四歩 ▲8六飛 ▽8四歩 ▲3九玉 ▽6三銀
▲7六飛 ▽7二金 ▲6六歩 ▽4四歩 ▲6五歩
▽同 歩 ▲6四歩 ▽同 銀 ▲7四歩 ▽6三金
▲6四角 ▽同 金 ▲7三歩成
「図3」
 後手が罠に気づけば飛車を成って来ませんが、それも予定のうちで▲8六飛と後手の飛車にぶつけます。 これこそが縦歩取りの本当の狙いです。飛車が2四〜2六〜8六と飛車を、ねじるように転回させる事から”ひねり飛車” と呼ばれる事が多いのです。ただ縦歩取りの▲3六飛を省略して飛車を左辺に持って行くひねり飛車も有るので、 今回は縦歩取りとして解説しています。後手はここでも飛車交換は不利となるので受けますが、 ▽8五歩と打つのは▲同飛と取られてしまうので、▽8四歩とするしか有りません。
 玉を3九に持って行き▲7六飛と7筋に回った先手の形は石田流に似た戦型となりますが、 二歩を持駒にしているのと、8筋と2筋の歩が切れている点が違っています。 対して後手の▽6三銀▽7二金は共に、この形の定番の守備です。 以下は、その持ち歩を使った攻めの一例です。
 ▲6四歩を▽同銀と取ると「図3」まで先手の勝勢となるので▽5四銀とかわし、▲7四歩 ▽同歩 ▲同飛と7筋の歩を切る将棋になると思いますが、 いずれにしろ後手側としては、先手にこんなに気持ち良く指されたのでは面白くありません。 そこで陣形に改良を加えてきます。
次章では、その改良陣形に対する本格的縦歩取りを見て頂く事にします。


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