鬼殺し向かい飛車戦法[1]


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 阪田流と同様に、角道を止めて飛車を振る通常の定跡型振り飛車では無く、力戦型向かい飛車として、 20章21章で解説した鬼殺しに似た狙いを含んだ”鬼殺し向かい飛車”を本章と次章で御紹介する事に致します。

「図1」までの手順

▲2六歩 ▽3四歩 ▲2五歩 ▽3三角 ▲7六歩 ▽2二飛
▲3三角成 ▽同 桂

「図1」


 ▲2五歩 ▽3三角と決めて▲7六歩と角道を開けた手に、 角道を止めず▽2二飛といきなり飛車を振り、▲3三角成に▽同桂と取った「図1」が鬼殺し向かい飛車の基本形です。 この局面で▲6五角と打ち、4三と8三の両成りを狙う手が見えますが、実はこれは鬼殺し向かい飛車の餌食となります。

「図1」から「図2」までの手順

▲6五角 ▽4五桂 ▲4八銀 ▽3三角
「図2」


 ▲6五角に▽4五桂と跳ね、5七の地点を▲4八銀と守った時に▽3三角、 まさに鬼殺しの手順そのもので「図2」となり次の▲9九角成が受かりません。
 この形で角の両成りを狙う手は、常に現れますが成立しない事が多いのです。そこで先手も慎重に駒組みを進めて行く事になります。

「図1」から「図3」までの手順

▲4八銀 ▽4二銀 ▲6八玉 ▽3二金 ▲7八玉
▽6二玉 ▲8八銀 ▽7二玉 ▲7七銀 ▽1四歩
▲6八金
「図3」


 対鬼殺しと同じく、今度は先手も▲4八銀から慎重に駒組みを進めて行きます。 こうなると後手側も急な手は無いので▽3二金と攻勢型にして玉を移動します。
 以下「図3」まで互いに陣形の整備をして、 闘いは、まだこれからと思える局面ですが、ここから後手に意外な手が有ります。 また「図3」までの手順中▽1四歩と後手が端歩を突いた手は重要な一手となります。その訳は次章で


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