若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】209 ミレニアム[2]
投稿日: 2017/09/19(Tue) 21:00
投稿者千鳥銀

本章から本流と言える▲6七金型(▽4三金型)のミレニアムの解説をします。

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽4二飛
▲6八玉    ▽9四歩    ▲7八玉    ▽7二銀    ▲5六歩    ▽3二銀
▲5八金右  ▽4三銀    ▲7七角    ▽6四歩    ▲2五歩    ▽3三角
▲6八角

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 角 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=19  ▲6八角  まで

▲7七角と上がりすぐに▲6八角と引き、後手の2筋を早々と狙って後手に
▽2二飛を強要する所から始まるのは、串カツと似た動きになります。

「図1」から「図2」までの手順

▽2二飛    ▲6六歩    ▽5二金左  ▲6七金    ▽7四歩    ▲3六歩
▽7三桂    ▲7七桂    ▽6二玉    ▲8九玉    ▽7一玉    ▲7八金
▽6三金    ▲1六歩    ▽1四歩    ▲3七桂    ▽8四歩    ▲5九銀
▽8一玉    ▲9六歩    ▽8三銀    ▲4六角    ▽7二金    ▲6八銀右
▽5四歩    ▲8六歩    ▽5二銀    ▲8八銀    ▽5三銀    ▲7九銀右
▽6二銀    ▲6八角    ▽7一銀    ▲4六歩    ▽4二飛    ▲2九飛
▽8二玉    ▲4九飛

「図2」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・v銀 ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v銀v桂v金 ・ ・v角v歩 ・|三
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六
| ・ ・ 桂 金 ・ ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 銀 金 角 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 玉 銀 ・ ・ 飛 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=57  ▲4九飛  まで

▽6二玉か▽5二金右のどちらかが入っていない局面で▲6八角と引き角で▲2四歩を
狙われた場合は▲2四歩と仕掛けられて困る事になるのは、今まで引き角系の解説で
ご紹介した通りで、この早い時期だと後手も▽2二飛と受けざるを得ません。
以下▽7三桂に▲7七桂と藤井システムの速攻を抑えつつ、8九の位置を開けるのが
ミレニアムの序盤ですが、今回は▲6七金とその桂頭と5筋を強化してから跳ねる所が
トーチカ型との違いになります。但しトーチカより固さでは劣る囲いとなりますが。
以下後手も先手の角筋に玉が入らないように、慎重に駒組みを進め先手もミレニアムを
完成させ「図2」となりますが、この局面ではいつでも▲4五歩と開戦する権利を有する
先手が指し易く作戦勝ちと言えます。

「図1」から「図3」までの手順

▽2二飛    ▲6六歩    ▽9五歩    ▲6七金    ▽5二金左  ▲7七桂
▽6二玉    ▲8九玉    ▽7一玉    ▲7八金    ▽8二玉    ▲3六歩
▽4五歩    ▲1六歩    ▽6三金    ▲3七桂    ▽5四銀    ▲5七角
▽7四歩    ▲5九銀    ▽8四歩    ▲6八銀右  ▽7三桂    ▲8八銀
▽8三銀    ▲8六歩    ▽7二金    ▲7九銀右  ▽1四歩

「図3」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
| ・v銀v桂v金v歩 ・v角v歩 ・|三
| ・v歩v歩v歩v銀 ・v歩 ・v歩|四
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 ・ 桂 金 角 歩 桂 ・ ・|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 玉 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=48  △1四歩  まで

▲6六歩に▽9五歩と9筋を突き越し、終盤▽9四桂などの筋を作り▽5四銀と攻めの
形を作りながら▲4六角出も消して「図3」となりますが、この形から千日手になる
可能性が高くこれを先手が打開出来るかどうかが課題です。

「図3」から「図4」までの手順

▲2六飛    ▽4四角    ▲2九飛    ▽3三角    ▲3五歩    ▽同 歩
▲同 角    ▽3二飛    ▲3四歩    ▽5一角    ▲4四角    ▽3四飛
▲1一角成  ▽3七飛成  ▲5五歩    ▽3八龍    ▲2六飛    ▽4三銀
▲2一馬    ▽3二歩

「図4」

後手の持駒:桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v角 ・ ・ 馬 ・|一
| ・v玉v金 ・ ・ ・v歩 ・ ・|二
| ・v銀v桂v金v歩v銀 ・v歩 ・|三
| ・v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩|四
|v歩 ・ ・ ・ 歩v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・ 飛 歩|六
| 歩 ・ 桂 金 ・ 歩 ・ ・ ・|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・v龍 ・ ・|八
| 香 玉 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 香 
手数=68  △3二歩  まで

実戦では▲2六飛 ▽4四角 ▲2九飛 ▽3三角以下、千日手になった局が有りましたが
本当に打開は出来ないのか。▲2九飛と手順に飛車の位置を変え桂を取られた時に飛車に
当たらないようにしてから▽3三角に、▲3五歩と仕掛ける手が有り有力ですが「図4」では
やはり▽9四桂が有り先手も大変な局面です。端を突き越されている状況では無理に
打開する局面でも無いかも知れません。

「図3」から「図5」までの手順

▲2六飛    ▽4四角    ▲2九飛    ▽3三角    ▲2七飛    ▽6二金引
▲3五歩    ▽4四角    ▲2四歩    ▽同 歩    ▲3四歩    ▽3六歩
▲2四飛    ▽3七歩成  ▲2二飛成  ▽同 角    ▲2四角    ▽1三角

「図5」

後手の持駒:飛 桂 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金v金 ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・v銀v桂 ・v歩 ・ ・ ・v角|三
| ・v歩v歩v歩v銀 ・ 歩 角v歩|四
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|五
| ・ 歩 歩 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ 桂 金 ・ 歩vと ・ ・|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 玉 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 歩二 
手数=66  △1三角  まで

▲2九飛 ▽3三角に▲2七飛と桂にヒモをつけ、ダイレクトに桂を取られるのを防ぐ手段も
考えられますが、▽6二金引きと形を乱さず手待ちをされると仕掛けは難しく、▲3五歩から
仕掛けても「図5」まで後手陣が広く、やはり▽9四桂が有り先手難局です。先手の玉形が
穴熊なら有望な局面なのですが。またどこかで▲9六歩と突く事が出来れば違って來るので
いずれにしても千日手打開が先手の課題と言えます。


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