本章では後手の専守防衛型からの千日手を、先手が打開する手順を紹介します
「図1」
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・v歩v金v銀v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v歩v銀v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ 金 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=39 ▲8八玉(79) まで
「図1」は前章「図4」と同一局面です
「図1」から「図2」までの手順
▽2二玉 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲4一角 ▽4四銀 ▲7四角成
▽3五歩 ▲6四馬 ▽7三角 ▲同 馬 ▽同 桂 ▲6四角
▽3六歩 ▲7三角成 ▽3七歩成 ▲同 馬 ▽8一飛 ▲3六桂
▽3五銀 ▲4四歩 ▽3四金 ▲6五銀 ▽6三銀 ▲7三馬
▽6一飛 ▲6三馬 ▽同 飛 ▲5二銀
「図2」
後手の持駒:角二 桂 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ 銀 ・v金v玉 ・|二
| ・ ・ ・v飛v歩 ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ ・ ・ 歩v金 ・v歩|四
| ・v歩 ・ 銀 ・v歩v銀 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ 桂 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ 金 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二
手数=67 ▲5二銀打 まで
前章「図2」と同じく▽2二玉と上がると▲4五歩の突き捨てから▲4一角と
打つ手が有ります この時に▲2五歩と突いた形では▽2六角と打たれる手が
有る為成立しなかったのです 以下は変化は有りますが▲4一角が効けば先手の
攻めは切れません 「図2」までは後手も善戦していますが飛車が逃げれば
▲4三歩成が有り、先手が勝勢です
「図1」から「図3」までの手順
▽4二金引 ▲2八角 ▽6二飛 ▲2五桂 ▽2四銀 ▲4五歩
▽同 歩 ▲同 銀 ▽同 銀 ▲同 飛
「図3」
後手の持駒:角 銀 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・v金v金 ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v歩 ・ ・v歩v銀v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 飛 ・ 桂 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ 角 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩
手数=49 ▲同 飛(48) まで
それでは動かずに▽4二金とするのはどうか これなら▲4一角は有りません
しかし今度は▲2八角と打つ手が有るのです 以下▲2五桂から「図3」
までとなり先手優勢です この▲2五桂が、やはり▲2六歩と飛車先を
一つで止めた効果なのです
「図1」から「図4」までの手順
▽3五歩 ▲同 歩 ▽2四銀 ▲4五歩 ▽3五銀 ▲3六歩
▽同 銀 ▲4四歩 ▽4二金引 ▲4六角 ▽4七歩 ▲2八飛
▽9二飛 ▲2五歩 ▽3七銀成 ▲同 角 ▽3六歩 ▲4六角
▽3七角 ▲同 角 ▽同歩成 ▲2九飛 ▽4八歩成 ▲2四歩
▽同 歩 ▲6七金右 ▽3八角 ▲2四飛 ▽2三歩 ▲3四飛
「図4」
後手の持駒:桂
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一
|v飛 ・ ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v歩v銀 歩 飛 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 金 歩 ・vと ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・vとv角 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩二
手数=69 ▲3四飛(24) まで
最後に▽3五歩から▽2四銀と、▲2五歩と突いていないのを利用して反撃を
狙う手には強く攻め合って先手が有望です 手順中▲4六角が攻防の好手で
これに▽7三角は▲7五歩です 「図4」の直前▲2四歩と突き捨てたのも
大事な手で、▽3八角に▲2四飛と走れるのです 「図4」となってこれも
先手有利な形勢です
こうして後手の千日手策は粉砕されたのです