若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】46 横歩取り▽3三桂戦法
投稿日: 2005/03/03(Thu) 16:54
投稿者千鳥銀

前章まで後手が▽3三角と上がる空中戦法を解説して来ましたが
後手側にはもう一つ別な指し方が有ります
採用率は低いのですが 意外に有力な戦法なので簡単に御紹介します

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽8四歩    ▲2五歩    ▽8五歩
▲7八金    ▽3二金    ▲2四歩    ▽同 歩    ▲同 飛    ▽8六歩
▲同 歩    ▽同 飛    ▲3四飛    ▽3三桂

「図1」
後手の持駒:歩二 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・v銀 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v桂 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=16  ▽3三桂(21)  まで

前章までは先手が▲3四飛と横歩を取った時 ▽3三角と上がりましたが
ここで▽3三桂と跳ねる手も有り これもまた後手の有力な手段となります

「図1」から「図2」までの手順

▲2四飛    ▽4五桂  ▲2五飛    ▽5七桂成  ▲2二飛成  ▽同 銀
▲2四角

「図2」
後手の持駒:飛 歩三 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 角 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩v圭 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=23  ▲2四角打  まで

▽3三桂に▲2四飛と戻すと▽4五桂と跳ねて決戦に出る手が生じます
▽4五桂に▲4八銀と守ると ▽8八角成から▽3三角と打たれて潰れですし
また▲5八玉だと やはり角交換の後▽3五角と打たれて負けになります

ここでは▲2五飛と 飛車の位置を変えると同時に桂取りに当てる手が有り
以下、飛車を切り▲2四角と王手で成桂を抜ける形になった「図2」では
まだ難しい形勢とは言え やや先手が指しやすいと思います
途中▽5七桂成に▲2二飛成の所 ▲5八歩などと受けたりすると
▽8八角成 ▲同銀 ▽同飛成で ▲同金なら▽6八銀打の詰みになります
先手の▲2四飛に▽4五桂は少し無理が有り▽1四歩と突く事になりますが
以下は難解な将棋になります

「図1」から「図3」までの手順

▲5八玉    ▽1四歩  ▲3六飛    ▽4二銀    ▲2六飛    ▽8四飛
▲3八金    ▽6二玉  ▲4八銀    ▽7二玉    ▲9六歩    ▽6二金
▲7五歩    ▽5四歩  ▲7七桂    ▽5五歩    ▲8五歩    ▽5四飛
▲8六飛    ▽8三歩

「図3」
後手の持駒:歩 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀 ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v玉v金 ・v銀v金v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・v歩v桂 ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・v歩|四
| ・ 歩 歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・|五
| 歩 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ 桂 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ 玉 銀 金 ・ ・|八
| 香 ・ 銀 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=36  ▽8三歩打  まで

「図2」までの進行は先手にとっても恐い手順なので ▽3三桂に▲5八玉と
上がる手も有ります これで▽4五桂跳ねの手は無くなり穏やかな流れに
なります なお▲5八玉で▲4八玉とするのは形を決め過ぎて損です
急戦型では▲5八玉の方が 対応が広く指し手が楽になる事が多いのです

以下は互いの駒組みの一例ですが いずれにしても▽3三桂戦法には
決まった定跡が少なく 手将棋(その場の判断で進行する将棋)となるため
それぞれの構想力が問われる難解な物となります


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