若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】22 新鬼殺し戦法
投稿日: 2005/03/03(Thu) 15:09
投稿者千鳥銀

2回に亘り鬼殺しのハメ手筋を紹介し その受け方を解説しましたが
改良された新鬼殺しと言う 米長永世棋聖が創案した戦法が有ります
これはハメ手では無く 立派に一戦法として成り立つ物です
それだけに難解で変化も多いので 今回は狙い筋の一例と後手側が
これを避ける手段を見て頂き 鬼殺し編の締めとします

「図1」までの手順
▲7六歩    △8四歩    ▲7五歩    △8五歩    ▲7七角    △3四歩
▲7八飛    △7七角成  ▲同 桂

「図1」
後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 桂 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 ・ 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 
手数=9  ▲同 桂(89)  まで

まずこれまで解説して来た石田流系の戦法は ▲7六歩に対して▽3四歩と
後手が来てくれないと使えないと言う事です 角道が開いていないと技が
掛けられないからで 2手目が▽8四歩で▲7五歩にも▽8五歩だと
▲7七角と通常の振り飛車のように上がらざるを得ないのです
そして▽3四歩に▲6六歩と止めれば これはまた別の戦型となります
寧ろ、その方が一般的で 実戦例も多い戦型では有ります
しかし新鬼殺しは ここで意表をついて▲7八飛と振ります
▽7七角成と角交換して▲同桂と取った「図1」が新鬼殺しの基本形です

これまた一見隙だらけですが ここまで本講座を見て頂いた方には
この形に不用意に仕掛ける手が危険極まる事は分かると思います
「図1」では▽8六歩と突くなど いろいろ手が見えますが
先手が仕掛けに出た場合の一例として▽5四角と打った変化を見て頂きます

「図1」から「図2」までの手順

▽5四角    ▲5五角    ▽2二銀  ▲8五桂    ▽3三銀
▲7三桂不成

「図2」
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・ 桂v歩v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v角 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ 歩 ・ 角 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 ・ 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=15  ▲7三桂(85)  まで

角を手放した瞬間に▲5五角と打ち ▽2二銀と受けた時に▲8五桂と
こちら側に跳びます ▽同飛とは取れないので銀を3三に上がりますが
▲7三桂不成として先手優勢です 不成で行くのがポイントで
ここを▲7三桂成だと▽8七飛成で成桂が遊んで失敗です
角を手持ちにしているので これ以外の仕掛けも、やはり同様に危険です
それでは「図1」で▽6二金はどうかと言う事ですが この場合は▲8八飛で
別の将棋となりますが 鬼殺し以外では▽6二金は悪形になり感心しません
角が交換されていて駒捌きが楽なため 鬼殺しと違って戦型の組み換えが
可能なのです それではどうするか
  
「図3」までの手順

▲7六歩    △8四歩    ▲7五歩    △8五歩    ▲7七角    △3四歩
▲7八飛    △6二銀

「図3」
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=8  ▽6二銀(71)  まで

「図3」まで後手から角を交換せずに 新鬼殺しを避けるのが一番分かり易く
安全な対策です ここで▲2二角成から▲7七桂とするのは前章で解説した
対策と類似した局面となります また角道を開けるのを保留して玉を3二まで
移動してから▽3四歩とするのも 新鬼殺しを封じる策として有効です
その場合も「図3」でも ▲6六歩と止めて振り飛車の基本に添った別戦型と
なりますが それはまた解説する機会が有ると思います


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