江戸時代の棋客、桧垣是安が編み出したと言われ、寺の屋根の木組みに
駒組みが似ている所から雁木と呼ばれる戦型を御紹介します
「図1」までの手順
▲7六歩 ▽8四歩 ▲6八銀 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽6二銀
▲5六歩 ▽5四歩 ▲6七銀 ▽4二玉 ▲4八銀 ▽3二玉
▲5七銀 ▽4二銀 ▲7八金 ▽5二金右 ▲5八金 ▽8五歩
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金v銀v玉v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 銀 銀 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 金 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18 ▽8五歩(84) まで
▲6七銀では▲4八銀と態度を決めずにおく手も有りますが、振り飛車を
思わせる手で▽3二玉を誘うのが狙いです「図1」の先手陣が雁木囲いです
「図1」から「図2」までの手順
▲6九玉 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲8七歩 ▽8二飛
▲3六歩 ▽3三銀 ▲4六歩 ▽4四歩 ▲6五歩 ▽4三金
▲4八飛 ▽3一角 ▲9六歩 ▽7四歩 ▲4五歩 ▽同 歩
▲3七桂 ▽6四歩 ▲4五桂 ▽4四銀 ▲4六銀 ▽6五歩
▲3五歩 ▽同 歩 ▲3三歩 ▽同 桂 ▲同桂成 ▽同 銀
▲3五銀
「図2」
後手の持駒:桂 歩五
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金v角 ・v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・ ・v玉 ・ ・|二
|v歩 ・ ・ ・ ・v金v銀v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ 銀 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 銀 ・ ・ ・ 歩 歩|七
| ・ 角 金 ・ 金 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 歩
手数=49 ▲3五銀(46) まで
▽8五歩に飛車先交換を受けないのが雁木の特徴です ▲6五歩で角筋を
通し▲4八飛と右四間飛車にして後は攻めまくります 以下「図2」までは
変化の一例ですが先手必勝となりました
「図3」までの手順
▲7六歩 ▽8四歩 ▲6八銀 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽6二銀
▲5六歩 ▽5四歩 ▲6七銀 ▽5二金右 ▲4八銀 ▽4二銀
▲5七銀 ▽3二金 ▲7八金 ▽4一玉 ▲5八金 ▽8五歩
「図3」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金v銀v金v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 銀 銀 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 金 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=18 ▽8五歩(84) まで
「図3」は▲6七銀に▽3二玉とせず、先手の居飛車を警戒した布陣です
「図3」から「図4」までの手順
▲6九玉 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲8七歩 ▽8二飛
▲3六歩 ▽4四歩 ▲4六歩 ▽4三金右 ▲7七角 ▽5三銀右
▲5九角 ▽3三銀 ▲2六歩 ▽7四歩 ▲2五歩 ▽3一角
▲9六歩 ▽9四歩 ▲1六歩 ▽1四歩 ▲2六角 ▽4二角
▲4八飛 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽2二玉 ▲4五歩
「図4」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v角v金v玉 ・|二
| ・ ・ ・v歩v銀v金v銀v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 角 歩|六
| ・ 歩 ・ 銀 銀 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=47 ▲4五歩(46) まで
右四間飛車を徹底的に警戒された場合は角を右翼に転回するのが有力で
「図4」は▲4六銀と攻め駒を増援する手などが有り、先手が指し易いと
言える局面です 雁木は柔軟性が有り、意外に優秀な戦法なのです