序盤の形1の相掛り型から 先手の利を最大限に活かそうとする
”縦歩取り戦法”を御紹介します
まず1章で少しだけ触れた 互いに飛車先を突き合ってから5手目に
▲7八金とせず▲2四歩と先行した場合を解説しておきます
「図1」までの手順
▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩 ▲2四歩 ▽同 歩
▲同 飛 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽8七歩 ▲2三歩 ▽8八歩成
▲同 銀 ▽3五角 ▲2八飛 ▽5七角成 ▲2二歩成 ▽同 飛
▲同飛成 ▽同 銀
「図1」
後手の持駒:飛 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 歩 歩v馬 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 角 歩二
手数=20 ▽同 銀(31) まで
14手目の▽3五角打までは1章「図2」で見て頂きました 以下飛車が逃げ
▲2二歩成から角を取り返しますが「図1」まで馬を作られ先手不利です
▽8六歩に▲同歩と取る所で ▲2三歩と打てば先に角は取れますが
以下▽8七歩成 ▲2二歩成 ▽同銀となり 後手の飛車は浮いていないので
角を持っても手段が無く 結局▲2八飛と引く一手で▽8八と、と角を
取り返されて 歩を一枚損するだけとなります
手順中▲2二歩成を▽同飛で▽同銀と取るのは ▲3六角と打たれ▽6二飛と
受ける一手となりますが ▲5二歩打と言う絶妙手で逆転します
「図2」に特に示しますので この歩打ちの素晴らしさを感じてみて下さい
「図2」
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 歩 ・ ・v銀 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 角 ・ ・|六
| 歩 ・ 歩 歩v馬 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=21 ▲5二歩打 まで
この▲5二歩を▽同飛と取れば▲6三角成 それ以外の駒で取ったり
▽4二玉と逃げるのは 飛車の横利きが消え▲2二飛成で先手勝勢です
以上の事から 相掛り手順で5手目に▲2四歩は無理で▲7八金となります
「図3」までの手順
▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩 ▲7八金 ▽3二金
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩 ▲2六飛 ▽6二銀
▲3八銀 ▽3四歩 ▲3六飛 ▽3三金
「図3」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v金v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・ ・|六
| 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=16 ▽3三金(32) まで
後手の角道を開けた3四の歩を▲3六飛として狙うのが 序盤の形4の
横歩取りに対して”縦歩取り戦法”と呼びます ここからは次章で