将棋の戦法を大きく分けると居飛車と振り飛車の2つに分かれる事は
序盤の形として、御紹介しましたが 駒組みの3大原則に添ったそれぞれ
代表的な戦法を一つずつ”駒組み編”と”戦闘編”に分けて解説いたします
本格戦型の為 初心者の方には少し難しいかも知れませんが ここではまだ
手筋など全てを理解すると言う必要は有りません ただこんな手順で
駒組みを進めて行き こんな闘い方をすると言った事だけを知って頂ければ
現時点では充分です
では、まず居飛車の代表的戦型として 序盤の形2で御紹介しました
矢倉(やぐら)戦法から解説して行く事にいたします
「図1」までの手順
▲7六歩 ▽8四歩 ▲6八銀 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽6二銀
▲5六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽4二銀 ▲7八金 ▽3二金
▲5八金 ▽4一玉 ▲6七金右 ▽5二金 ▲6九玉 ▽7四歩
▲7七銀 ▽3三銀 ▲3六歩 ▽4四歩 ▲7九角 ▽3一角
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉v角v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v銀v歩v歩|三
| ・v歩v歩 ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 角 玉 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24 ▽3一角(22) まで
矢倉は将棋の戦法の中でも最も変化が多く この「図1」までの手順も
途中で多数の変化が発生しますが この局面が先後共に相矢倉としては
最も普通に進んだ形で実戦例も多い局面です
ここから更に無限とも言える変化が有りますが 矢倉を完成するまでの
1例としての駒組み手順を、御紹介します
「図1」から「図2」までの手順
▲3七銀 ▽4三金右 ▲3五歩 ▽同 歩 ▲同 角 ▽3四歩
▲2六角 ▽4二角 ▲3六銀 ▽3一玉 ▲7九玉 ▽2二玉
▲8八玉 ▽6四歩 ▲4六歩 ▽7二飛 ▲3七桂 ▽6三銀
▲1六歩 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽1四歩 ▲4八飛 ▽7五歩
▲同 歩 ▽同 飛 ▲7六歩 ▽7二飛
「図2」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・ ・v角v金v玉 ・|二
| ・ ・ ・v銀 ・v金v銀v歩 ・|三
|v歩v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 銀 角 歩|六
| ・ 歩 銀 金 ・ ・ 桂 歩 ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=52 ▽7二飛(75) まで
初手からここまで手数は長いですが 途中の手順は別として完成した玉の形を
覚えてください 相手の最強の駒で有る飛車に対して非常に堅固な守りとなる
この陣形が”矢倉囲い”です 攻撃側は多数の戦型の一つですが
玉の囲い方は多少手順の前後は有るでしょうが だいたいこんな組み上げ方を
して行く物なので囲い完成までの過程を 是非ご記憶ください
一つだけ補足しますと 途中▲1六歩 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽1四歩と互いに
端の歩を突き合っていますが 囲いの端は玉が広くなるので突いた方が得ですが
実は矢倉には端に絡んだ攻め筋が多数有る為に 端を突かれても受けて突く事は
少ないのです この局面では互いに端を攻められる形では無いので
受けていると思ってください もし序盤に突かれたら受けない方が良い場合が
多いのです その訳は後で、その実例を見て頂きます
さて「図2」の局面ですが 実は既に先手の作戦勝ちになっています
なぜなのか その訳は”戦闘編[1]”で