本章では▲4五歩早仕掛けに対する後手側の対応としては本流と言える変化を
御紹介する事にします
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・v玉 ・ ・ ・v銀v飛 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=19 ▲4六歩(47) まで
「図1」は159章「図1」と同一局面、先手が▲4六歩と早仕掛けの意思表示を
した所です
「図1」から「図2」までの手順
▽5四歩 ▲5六歩 ▽5二金左 ▲3七桂
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉 ・ ・v金v銀v飛 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=23 ▲3七桂(29) まで
▽5四歩、▽4二銀型で迎え撃つのが、居飛車側の早仕掛け急戦には最善の
対応となります ▲3七桂として先手の仕掛け準備完了で「図2」となります
「図2」から「図3」までの手順
▽7二銀 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲5五歩
▽同 歩 ▲4五桂 ▽4四角 ▲5四歩 ▽2二飛 ▲4七銀
▽2五歩 ▲4六銀 ▽2六歩 ▲5五銀
「図3」
後手の持駒:歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v銀 ・v飛 ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ 歩v角v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 銀 桂 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩v歩 ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=39 ▲5五銀(46) まで
「図2」で▽7二銀として美濃囲いを完成すれば玉形には隙が無くなりますが
やはり先手の仕掛けが成立してしまいます ▲4五歩 ▽同歩に▲5五歩と突くのが
急所で▽同角は▲2四飛と走られるので▽同歩ですが、以下「図3」まで先手が
優勢となります 手順中▽4四角に▲5四歩と垂らす事と、慌てて▲5三歩成と
しないで4八の銀を応援に繰り出して行くのがポイントとなります
「図2」から「図4」までの手順
▽7二銀 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲4五歩 ▽2二飛 ▲4四歩
▽4三歩 ▲同歩成 ▽同 銀 ▲3三角成 ▽同 桂 ▲7七角
▽5五歩 ▲同 歩 ▽2三飛 ▲4四歩 ▽同 銀 ▲5四歩
▽5五歩 ▲8六角 ▽2二角 ▲4二歩 ▽5一金寄 ▲4一歩成
▽同 金 ▲4五歩 ▽同 桂 ▲同 桂 ▽同 銀 ▲1五桂
▽4三飛 ▲2四飛
「図4」
後手の持駒:桂 歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・v角 ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・v飛 ・ ・v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ 歩 ・v歩 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・v歩v銀 ・ ・ 桂|五
| 歩 角 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=55 ▲2四飛(28) まで
「図3」までの手順中で▲4五歩と来た時に先手の▲2四歩突き捨てを利用して
▽2二飛と、ここで回って2筋を受けておく手も考えられます そして▲4四歩に
▽4三歩と合わせて捌いて来ます
この手には角交換から▲7七角と再度角を打つのが好手で、▽5五歩と手筋の突き捨てから
▽2三飛と巧妙に受けて来ますが▲4四歩から、以下▲8六角と覗く手が厳しく先手が
指し易い形勢となります 「図4」までは一例ですが、こうなれば後手陣は潰れです