前章に引き続き、先手が棒銀から▲3五歩と仕掛けた局面からの解説です
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・v飛 ・v香|二
| ・v歩v歩 ・ ・v銀v角v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 銀 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 角 玉 金 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=35 ▲3五歩(36) まで
「図1」は前章「図2」と同一局面、先手が▲3五歩と戦端を開いた所です
「図1」から「図2」までの手順
▽6五歩 ▲3四歩 ▽同 銀 ▲3五歩 ▽4三銀 ▲3七銀
「図2」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・v飛 ・v香|二
| ・v歩v歩 ・ ・v銀v角v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ 歩 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 銀 ・ ・|七
| ・ 角 玉 金 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=41 ▲3七銀(26) まで
前章「図4」までで解説した▲3五歩に対しての後手の▽6五歩と言う変化手には▲3八飛では無く
▲3四歩 ▽同銀 ▲3五歩と押さえて▲3七銀と銀の繰り替えを図る手が有ります
これは▲4六銀戦法の章でも御紹介した居飛車側の準急戦手段で、棒銀の場合でも有効となるのです
「図2」から「図3」までの手順
▽6三金 ▲3六銀 ▽7四歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲3七桂
▽3四歩 ▲同 歩 ▽5一角 ▲4七金 ▽3四銀 ▲4四角
▽3五歩 ▲4五銀 ▽4三銀 ▲1一角成 ▽3三角 ▲同 馬
▽同 桂 ▲2四飛 ▽4五桂 ▲同 桂 ▽4四歩 ▲2三飛成
▽3四銀打 ▲2一龍 ▽4五歩 ▲同 歩 ▽5二飛 ▲9五歩
▽同 歩 ▲9二歩 ▽同 香 ▲9三歩 ▽同 香 ▲9四歩
▽同香 ▲8六桂
「図3」
後手の持駒:角 桂 歩四
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・v桂 ・v金 ・ ・ ・ 龍 ・|一
| ・v玉v銀 ・v飛 ・ ・ ・v香|二
| ・v歩 ・v金 ・v銀 ・ ・ ・|三
|v香 ・v歩 ・v歩 ・v銀 ・v歩|四
|v歩 ・ ・v歩 ・ 歩v歩 ・ ・|五
| ・ 桂 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 金 ・ ・ ・|七
| ・ ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩
手数=79 ▲8六桂打 まで
「図2」から▽6三金として、ゆっくり陣形を整えていると先手に▲3六銀から
▲3七桂と十分な攻撃態勢を作られてしまい、いろいろな変化は考えられますが後手の
作戦負けとなる可能性が高いのです 「図4」までは変化の一例ですが後手の左翼を破り
端からの攻めが決まり先手優勢の局面です いずれにしても理想的攻撃陣が築ける先手に
不満の無い流れと言えるでしょう
「図2」から「図4」までの手順
▽3四歩 ▲3六銀 ▽3五歩 ▲同 銀 ▽4五歩 ▲3三角成
▽同 飛 ▲3六歩 ▽4六歩 ▲2四歩 ▽6四角 ▲3七角
▽3四銀 ▲4六角 ▽同 角 ▲同銀引 ▽4五歩 ▲3七銀
▽4四角 ▲7七桂 ▽2四歩 ▲2二角
「図4」
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ 角v香|二
| ・v歩v歩 ・ ・ ・v飛 ・ ・|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v角v銀v歩v歩|四
| ・ ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 桂 歩 銀 ・ 銀 ・ ・|七
| ・ ・ 玉 金 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=63 ▲2二角打 まで
「図2」では▽3四歩と合わせて捌いて行く手も有ります これは以下▽4五歩とした形が
前章「図3」までの変化と似た物となりますが、▽6五歩と6筋の歩が延びているのを利用して
角交換から▲3六歩と銀取りを受けた時に▽4六歩から▽6四角と打つ手が狙いとなります
しかしこれには▲3七角と打って受かっています 以下「図3」まで先手の指し易い形勢です