”振り飛車には急戦を狙え”と言う将棋格言が有ります
最近では居飛車側も玉を固める 9章で御紹介した居飛車穴熊などが有り
対振り飛車の持久戦手段も多くなりましたが 急戦が有力な
対抗策で有る事に変わりはありません
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24 ▽4三銀(32) まで
「図1」は前章の駒組み編「図2」と同一局面です ここまでの手順は
やはりそちらを見て頂く事として ここから先手が仕掛ける手順を
進めて行きますが 今回は四間飛車側の解説なので居飛車の急戦に
見事に応戦して有利に導いて行くまでを御紹介します
「図1」から「図2」までの手順
▲3八飛 ▽3二飛 ▲3五歩 ▽同 歩 ▲4六銀 ▽4五歩
▲3三角成 ▽同 飛 ▲3五銀 ▽3七歩 ▲同 飛 ▽2八角
▲3四歩 ▽3二飛 ▲3六飛 ▽1九角成 ▲3七桂 ▽1八馬
▲2六飛 ▽3四銀 ▲同 銀 ▽同 飛
「図2」
後手の持駒:銀 香 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 飛 ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ ・v馬|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩
手数=46 ▽同 飛(32) まで
四間飛車に対する急戦策として角頭を狙う と言うのは有力な仕掛けです
そして攻められそうな場所に飛車を予め持って行くと言うのが
四間飛車、と言うより振り飛車側の常套手段となります
▲4六銀と攻め駒に銀の援軍を送って来た瞬間に▽4五歩とカウンターを
放つのが第二弾の迎撃法で 角を交換して▲3五銀と進出した時に
▽3七歩と打ったのが優勢を決定づける決め手となります
飛車を逃げると銀が取られるので▲同飛と取る一手ですが 以下「図2」まで
駒得で馬を作った上に飛車の働きにも大きな差が有り 後手優勢の局面です
▲3五歩 ▽同歩に▲4六銀とせず 単に▲同飛と飛車で歩の交換をするのは
▽2二角が好手で ▲3二飛成と飛車交換する一手となり▽同銀で「図3」
「図3」
後手の持駒:飛 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・v銀v角 ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 歩
手数=32 ▽同 銀(43) まで
この局面も四間飛車側に飛車を打ち込む隙が全く無いのに比べ
居飛車側には2七或いは2八など 飛車打ち込みの隙が多く
やはり後手優勢となります ”飛車交換は振り飛車有利”と言うのが
急戦の場合は定跡となっています