若 葉 亭
[トップに戻る] [記事リスト] [新着記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

タイトル 【戦法図鑑】133 矢倉 森下システム[1]
投稿日: 2005/03/03(Thu) 19:38
投稿者千鳥銀

本章では森下卓九段が体系づけ、一時期矢倉は全てこの形と言うほど一世を
風靡した森下システムを御紹介します

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽8四歩    ▲6八銀    ▽3四歩    ▲6六歩    ▽6二銀
▲5六歩    ▽5四歩    ▲4八銀    ▽4二銀    ▲5八金右  ▽3二金
▲7八金    ▽4一玉    ▲6七金右  ▽7四歩    ▲6九玉    ▽5二金
▲7七銀    ▽4四歩    ▲3六歩    ▽3三銀    ▲7九角    ▽3一角
▲6八角

「図1」
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉v角v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v銀v歩v歩|三
| ・v歩v歩 ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 金 角 ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 玉 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=25  ▲6八角(79)  まで

「図1」は現代矢倉24手組みから▲6八角と上がった所ですが、飛車側の
形を決めず玉の入城準備をする、この形が森下システムの基本形です

「図1」から「図2」までの手順

▽6四角    ▲3七桂    ▽4三金右  ▲7九玉    ▽8五歩    ▲1六歩
▽1四歩    ▲3八飛    ▽3一玉    ▲8八玉

「図2」
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・v金v銀v歩 ・|三
| ・ ・v歩v角v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 桂 歩 ・|七
| ・ 玉 金 角 ・ 銀 飛 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=35  ▲8八玉(79)  まで

▽6四角に対して▲3七銀と上がれば矢倉3七銀戦法系の将棋に戻りますが
ここで▲3七桂と上がって銀の動向を決めないのが、この戦型の特徴です

「図2」から「図3」までの手順

▽2二玉    ▲2六歩    ▽9四歩    ▲1七香    ▽5三銀    ▲9六歩
▽7三角    ▲4六歩    ▽4二銀右  ▲4七銀

「図3」
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v銀v金v玉 ・|二
| ・ ・v角v歩 ・v金v銀v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 金 ・ 銀 桂 ・ 香|七
| ・ 玉 金 角 ・ ・ 飛 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=45  ▲4七銀(48)  まで

「図3」までが後手が▽5三銀から守勢に出た場合の森下システムの対応で
129章で御紹介したスズメ刺し戦法の変化形と言えます
後手の▽2二玉では▽2二銀と引き▽3三桂から▽2一玉と囲う菊水矢倉も
有ります

「図3」から「図4」までの手順

▽2四銀    ▲2五歩    ▽3三銀引 ▲1八飛    ▽6二飛    ▲1五歩
▽同 歩    ▲同 香    ▽1三歩    ▲1七飛    ▽8二飛    ▲5五歩
▽同 歩    ▲4五歩    ▽同 歩    ▲3五歩

「図4」
後手の持駒:歩二 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v銀v金v玉 ・|二
| ・ ・v角v歩 ・v金v銀v歩v歩|三
|v歩 ・v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・v歩v歩 歩 歩 香|五
| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 銀 金 ・ 銀 桂 ・ 飛|七
| ・ 玉 金 角 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=61  ▲3五歩(36)  まで

「図4」までは一例ですが端で一歩を手に入れ、▲5五歩から攻勢に出て
まだ難解では有りますが、先手が指せる形勢と言えます 手順中▲1七飛と
上がったのは3七の桂が後手の角で取られる手を予め防いだ手です
また▲5五歩に▽同角と取れば▲5六金と出て▽7三角に▲6五金と後手の
角を苛めに行く手が有ります 後手の守勢型も他に多数の変化が有り
例えば▲1六歩に後手が、端を受けなければ▲1五歩と突き越し127章で
御紹介した▲4六銀型からの攻撃型を選択するのが先手側の有力策です


- 関連一覧ツリー (▼ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
タイトル
メッセージ   図表モード 手動改行 強制改行  
参照先−(入力禁止です)
暗証キー (英数字で8文字以内)
  プレビュー

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー