前章まで解説した▽4五角戦法は ほぼ先手が有利であろうと言う結論が
現在は出ていて、少なくともプロ棋界からは消えています
この▽4五角戦法に似た狙いながら 実は有力な別戦型が有るのです
「図1」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩
▲7八金 ▽3二金 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽8六歩
▲同 歩 ▽同 飛 ▲3四飛 ▽8八角成 ▲同 銀 ▽3八歩
「図1」
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・v歩 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩三
手数=18 ▽3八歩打 まで
▽8六歩からの横歩取り基本図より角交換するまでは▽4五角戦法と
同じですが2八では無く▽3八歩とこちらに打つのです
「図1「から「図2」までの手順
▲同 金 ▽4五角 ▲2四飛 ▽6七角成 ▲同 金 ▽8八飛成
「図2」
後手の持駒:銀 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 金 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・v龍 ・ ・ ・ ・ 金 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 ・ 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角二 歩四
手数=24 ▽8八飛成(86) まで
▽3八歩には▲同金と▲同銀、そして▲2八銀と逃げる手が有りますが
まず▲同金と取るのは角交換から▽4五角打で以下「図2」まで
34章の▽4五角戦法の変化と同じ進行となった時 ▽5八銀打からの
詰めろになるので▲2一飛成と出来ず後手が勝勢となります ▲3八金の形が
玉の逃げ道を塞ぐ壁となる悪形で これにより大きな違いを生じます
「図1」から「図3」までの手順
▲2八銀 ▽2七歩 ▲同 銀 ▽3九歩成 ▲同 金 ▽4五角
▲2四飛 ▽6七角成 ▲同 金 ▽8八飛成
「図3」
後手の持駒:銀 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 金 歩 歩 歩 銀 歩|七
| ・v龍 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 ・ 金 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角二 歩五
手数=28 ▽8八飛成(86) まで
▲2八銀と逃げるのも▽2七歩から以下「図3」まで▲同金までと同様
やはり▽8八飛成が詰めろで先手不利となります
「図1」から「図4」までの手順
▲同 銀 ▽4四角 ▲8七歩 ▽7六飛 ▲7七銀 ▽7四飛
「図4」
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・v飛 ・ ・v角 飛 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩三
手数=24 ▽7四飛(76) まで
▲同銀に▽4五角と打つのは▽2八歩 ▲同銀と取らせた形より▲3八銀と
取った形が むしろ連係が良く「図2」「図3」とは反対に先手が有利と
なります そこで▽4四角と打ち▽8八角成 ▲同金 ▽同飛成を狙います
先手が▲8七歩打と、これを防ぎ▽7六飛に▲7七銀 ▽7四飛と
自然な手順で進みますが 実はこの「図3」は既に後手優勢となっています