後手の横歩取り模様からの奇襲 ノーガード戦法を撃破する手段を
この章では解説いたします
「図1」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v角 ・|二
|v歩 ・v歩v銀v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・v飛 ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 飛 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 桂 ・ ・|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=26 ▽6三銀(72) まで
「図1」は前章「図3」と同一局面です
「図1」から「図2」までの手順
▲3五歩 ▽同 歩 ▲4五桂 ▽4二玉 ▲3三歩 ▽同 桂
▲同桂成 ▽同 金 ▲3四桂 ▽同 金 ▲2二角成 ▽同 銀
▲6六角
「図2」
後手の持駒:角 桂二 歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・v銀 ・|二
|v歩 ・v歩v銀v歩v歩 ・v歩 ・|三
| ・v飛 ・v歩 ・ ・v金 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 角 ・ ・ ・ 飛 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ 銀 ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=39 ▲6六角打 まで
相掛り型では後手の▽8四飛の形は 攻撃目標となり危険なのです
「図2」まではその一例ですが 「図1」では変化は有っても
先攻できる先手の方が有利なのです 手順中で▲3三同桂成を▽同金の所で
▽同角と取っても▲3四桂打で玉が逃げた時に▲3三角成 ▽同金に
▲6六角打で「図2」と変わらない結果になります
「図3」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=11 ▲8七歩打 まで
「図3」はノーガード戦法に▲8七歩と受けた所です
「図3」から「図4」までの手順
▽8二飛 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽3二金 ▲5八玉
「図4」
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v角 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ 玉 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=17 ▲5八玉(59) まで
▲8七歩に▽8二飛と深く引いた場合は 特に対策は無く普通の相掛り型の
将棋になりそうなんですが 先手が飛先を交換して▽3二金と後手が受けた
その瞬間に▲5八玉とする手が有ります この「図4」で意外にも後手は
困るのです 次に当然▲3四飛と横歩を取るのが先手の狙いですが
後手には既に▽2三歩と受ける選択肢は消えています 横歩取り模様では
金銀を動かすのは危ないですので 再度▽8六歩と行く手も有りますが
▲5八玉の一手が入っている事により 今まで解説した後手の戦法の
狙い筋の大半が効かなくなっている事を確認してください
以上でノーガード戦法には▲8七歩と受けて後手の飛車の行き先を聞くのが
有効な対策と言う事が分かりました
本章で横歩取り編を一応終わりにしますが 初級者の方には難解な部分も
多かったのではないでしょうか しかしテレビ棋戦などで現れる事が多いと
言う事で 戦法自体の概要が少しでも分かれば見ていて更に面白いのではと
そんな思惑で出来る限り、分かりやすく纏めたつもりです