本章では後手の▽5四歩形に対する先手の端角戦法を御紹介します
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛v銀 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24 ▽5四歩(53) まで
「図1」は前章「図3」と同一局面、先手の▲5七銀左型に▽5四歩と
後手が突いた所です
「図1」から「図2」までの手順
▲9七角 ▽4一飛 ▲8六角 ▽4五歩 ▲6六銀 ▽4三銀
▲3七桂 ▽4四銀 ▲6八角 ▽4二飛 ▲2四歩 ▽同 歩
▲同 角 ▽2二飛 ▲3三角成 ▽2八飛成 ▲4四馬
「図2」
後手の持駒:飛 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩 馬v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・v龍 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
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先手の持駒:角 銀 歩
手数=41 ▲4四馬(33) まで
「図1」の局面では飛車取りに▲9七角と覗く手が有ります 流石にここで
飛車角交換するのは損なので▽4一飛と避けますが、以下「図2」まで先手
優勢と言うのが端角の本当の狙い筋です 手順中▲3七桂で▽4四銀と
させておくのがポイントで▽2二飛の振り飛車常套手段の受けに▲3三角成
▽2八飛成 ▲4四馬で銀得になるので成立する訳です
「図1」から「図3」までの手順
▲9七角 ▽4一飛 ▲8六角 ▽4三銀 ▲6六銀 ▽4二金
▲3七銀 ▽3一飛 ▲3五歩 ▽3二飛 ▲3六銀 ▽5二金寄
▲3四歩 ▽同 銀 ▲3五歩 ▽4三銀 ▲5五歩 ▽同 歩
▲同 銀 ▽5四歩 ▲6六銀
「図3」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・v飛 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|五
| 歩 角 歩 銀 ・ ・ 銀 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=45 ▲6六銀(55) まで
▲8六角に▽4三銀と上がり▲6六銀に▽4二金とする手段も昔から有る
この端角に対する後手の応手です これは次に▲6八角と「図2」までと
同じく引き角で来た時に▽3二金として2筋を受けようとする狙いです
▽4二金には▲3七銀とするのが有力で、以下「図3」までとなり次に
▲2四歩から▲2二歩打を狙って先手が優勢です
「図1」から「図4」までの手順
▲9七角 ▽4一飛 ▲8六角 ▽1四歩 ▲6六銀 ▽4五歩
▲6八角 ▽6四歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 角 ▽4四角
▲7九角 ▽7四歩 ▲3五歩 ▽同 歩 ▲2二歩 ▽1三桂
▲2一歩成 ▽同 飛 ▲同飛成 ▽同 銀 ▲4一飛 ▽2四飛
「図4」
後手の持駒:歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ 飛 ・v銀v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂|三
|v歩 ・v歩v歩v歩v角 ・v飛v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 角 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=48 ▽2四飛打 まで
▲8六角からの攻め筋には「図4」までの手順が最善で、引き角の攻めを
空振りさせる事が出来ます 直前の▲4一飛で▲2四飛ですと▽2二角で
受けられてしまいます ▽1四歩と突いた手が▽1三桂と逃げる手を可能に
した効果です「図4」は飛車角の働きが違い、玉も固く後手優勢の局面です