本章から中飛車編に入ります 現在プロ間でも力戦型の中飛車が大流行と
なっていて、居飛車党の棋士までもが採用しているような状況です
8章で初心者の定番として原始中飛車を紹介しましたが、此処からは
本格的な中飛車を、現在の流行形に至るまで解説して行きたいと思います
まずは昔、本格中飛車の代表だった”ツノ銀中飛車”から解説いたします
「図1」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽4四歩 ▲4八銀 ▽4二銀
▲5六歩 ▽5四歩 ▲5八金右 ▽5二飛 ▲6八玉 ▽6二玉
▲7八玉 ▽7二玉 ▲6八銀 ▽4三銀 ▲3六歩 ▽8二玉
▲9六歩 ▽9四歩 ▲2五歩 ▽3三角 ▲4六歩 ▽3二金
▲5七銀左 ▽7二銀
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v飛 ・v金 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=26 ▽7二銀(71) まで
「図1」までがツノ銀中飛車と居飛車▲5七銀左型急戦の基本の形です
ツノ銀の名称は4三の銀が飛車のツノのように見える所からです
この後▽6四歩から▽6三銀とすれば完全なツノ銀中飛車となります
▲4六歩とする手で▲4六銀とするのは、▽3二金で▲3五歩としても
▽4五歩で撃退されます ▽3二金型にナナメ棒銀は通用しません
「図1」から「図2」までの手順
▲6八金上 ▽6四歩 ▲3七銀 ▽5一飛 ▲2六銀 ▽4五歩
▲同 歩 ▽5五歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲5六歩 ▽4五飛
▲4六歩 ▽4四飛 ▲3七銀 ▽5四飛 ▲3三角成 ▽同 桂
▲4八銀右 ▽5一飛 ▲4七銀 ▽7四歩 ▲6六歩 ▽6三銀
▲6七金右 ▽7二金
「図2」
後手の持駒:角 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v飛 ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v金 ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・v歩 ・v銀 ・v銀v桂v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 金 銀 銀 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 金 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=52 ▽7二金(61) まで
基本図から居飛車側の有力な策として棒銀が有りますが▲2六銀の瞬間に
▽4五歩から豪快に捌きに出て「図2」まで後手の優勢となります
手順中▽同飛と5五に飛び出した後手の飛車を▲同角と取るのは▽同角で
飛車香両取りで先手不利となります 同様に▽4四飛と引いた手に▲同角も
▽同角で以下▲6六歩に▽6五歩と攻められ、やはり思わしくありません
角交換の後、先手は棒銀を引き上げ陣形を建て直しますが「図2」では
▽6三銀と完全に両方のツノ銀を完成させ4、5筋で二歩を手持ちにした
後手が指しやすい形勢と言えます
「図2」から「図3」までの手順
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽1五角 ▲2八飛 ▽2七歩
▲同 飛 ▽2六歩 ▲2八飛 ▽2一飛 ▲1六歩 ▽2七歩成
「図3」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v飛v香|一
| ・v玉v金 ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・v歩 ・v銀 ・v銀v桂 ・v歩|三
|v歩 ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v角|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 金 銀 銀 ・vと ・|七
| ・ ・ 玉 金 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二
手数=64 ▽2七歩成(26) まで
「図2」で先手から▲2四歩と飛車先を交換する手が見えますが▽2一飛から
逆に飛車先を逆襲されて「図3」では先手の敗勢と言っても良い局面です
▲2四歩が無理となれば「図2」では先手に有効な手が無いと言う事になります