若 葉 亭
[トップに戻る] [記事リスト] [新着記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

タイトル 【戦法図鑑】108 角換り 変化戦術[2]
投稿日: 2005/03/03(Thu) 18:53
投稿者千鳥銀

前章に引き続き、先手の変化戦術を見て頂きます

「図1」
後手の持駒:角
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛v銀 ・ ・v銀v金 ・ ・|二
| ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ 銀 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=20  ▽6四歩(63)  まで

「図1」は前章「図3」と同一局面、▽6四歩と後手が腰掛け銀模様に
突いた所です

「図1」から「図2」までの手順

▲4六歩    ▽6三銀    ▲3七桂

「図2」
後手の持駒:角
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v銀v金 ・ ・|二
| ・ ・v歩v銀v歩v歩 ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ 銀 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=23  ▲3七桂(29)  まで

▲4六歩と先手も腰掛け銀を志向して、▽6三銀に▲3七桂と跳ねます
この手では▲4七銀とするのが普通ですが、いずれ跳ねる事になるので大差は
無いように思えます しかし

「図2」から「図3」までの手順

▽5四銀    ▲6八玉    ▽5二金    ▲2五歩    ▽3三銀    ▲4五桂
▽2二銀    ▲7一角    ▽7二飛    ▲5三角成  ▽4五銀    ▲6四馬
▽3六銀    ▲3七歩

「図3」
後手の持駒:角 桂 歩
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・v金 ・v金v銀 ・|二
| ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ 馬 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩v銀 ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=37  ▲3七歩打  まで

「図2」で▽5四銀とすると「図3」までの速攻が有って危険なのです
この局面は後手の銀が死んでいるので結果として銀桂交換必至となり
馬も出来ているので先手断然優勢と言えます

「図2」から「図4」までの手順

▽4一玉    ▲6八玉    ▽5二金    ▲2五歩    ▽3三銀    ▲4五桂
▽2二銀    ▲7一角    ▽7二飛    ▲5三角成  ▽4四角    ▲同 馬
▽同 歩

「図4」
後手の持駒:角
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉 ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・v金 ・v金v銀 ・|二
| ・ ・v歩v銀 ・ ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ 銀 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩
手数=36  ▽同 歩(43)  まで

▽5四銀を保留して固く指されると「図3」までと同じ速攻は上手く行かず
「図4」は桂損必至で先手不利な局面です この攻め筋は▲5三角成が5四の
銀取りに当たらないと成立しません しかしこの攻め筋を見せる事によって
後手の手を牽制すると言うのが本当の狙いで、▽6五歩と位を取る手など
後手側に変化される手を、し難くして先後同型に持ち込むと言う事なのです

106章から本章まで御紹介した物は戦法と言うより、相手の選択肢を
減らしたり従来の定跡型に向った時、その攻め筋を不発にさせたりと
より有利な対抗型を引いて作戦勝ちを狙う為の手段です
特に106章の後手一手損は、早繰り銀や棒銀と言った戦法も先手の対抗策
として復活させました

以上で角換り編を終わりますが、セカンドステップと言う事で1章からの
内容をある程度理解して頂いた事を前提の内容の為、少し難しかったのでは
ないかと思います しかし初級の方にはここで端歩の重要性や一手の違いに
より局面や形勢が大きく変わる事を知って頂ければと思っています
これを知る事によりテレビ棋戦などで、プロが序盤から何をそんなに考えて
いるのか 少し垣間見る事が出来るのではないでしょうか


- 関連一覧ツリー (▼ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
タイトル
メッセージ   図表モード 手動改行 強制改行  
参照先−(入力禁止です)
暗証キー (英数字で8文字以内)
  プレビュー

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー